第18話 退屈はラトをも殺す
クリフの行動は速かった。
「何するんだい、クリフくん」
「何するもクソもあるか! そんなんだからお前はパーティ
「何か
「魔力いらないだろ、いつ使うんだ。使えるならすぐに使って
大きめのクッションを振り
「家賃、家賃って、君はつまらないことを言うんだな。君が払える
「
「誠意ね――。むしろ、君の行く手を
腹立たしいことだが、妙な
クリフがいまひとつ冒険者たちに受け入れられない原因は、クリフのほうにある。その
「君がそのくだらない冒険者仕事に
「……俺だって夢見がちな少年ってわけじゃない。だが、したくもない妥協をして投げやりに生きていくだけなら、わざわざ転職する必要もなかったんだ。努力するさ、生きたいように生きられるようにな」
ラトは
すかさずクリフはケースを取り上げた。
「あっ、何するんだい。せっかく
「暇つぶしで法を
「僕は
「俺からすれば、名探偵のほうがなんなんだそりゃって仕事だけどな。そもそもそれは仕事なのか?」
「あたりまえじゃないか、世界で一番
「金が
「僕のパパだって立派な探偵なんだぞ!」
クリフは
「うそだろ? お前に親がいたのか……?」
「この僕が
ラトは
クリフは花瓶を持ったまま、ラトの部屋を出た。
中身は
このまま
かといって、同居人の
妙な
きっかけは夕食に同席したカーネリアン夫人の、何てことはない
*
突然ではあるが、カーネリアン夫人の友人であるルベライト
大恋愛の
夫人の言葉を
さて、ルベライト夫妻の結婚生活が
その趣味というのが《
ルベライト夫人の夫は
しかしその一方で
妻の方も、はじめは美しいエメラルドや
このままルビーやダイヤモンドのかたまりを
そう
ルベライト夫人が
彼女は
けれども、この夫はみじんも
離婚に
こうなると二人の「離婚」はかえって困難な手続きとなった。
ルベライト夫人側は、より有利な条件で離婚するために弁護士を
結果から言えば、この
もともとこの夫は一般的な家庭生活を
そこで、思わぬ事件が起きた。
「宝石が消えちまったんだそうだ」
ラトは部屋のソファにだらりと
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