第8話 カーネリアン家の矜持
迷宮街には再び闇の
カーネリアン夫人の
所有していたレガリアをすべてはぎ取られ、暴力という魔力を失った彼の正体は
両脇を衛兵隊に
その姿がみえなくなる直前、ガルシアはこちらを振り返り、玄関口から見守っていた二人にむけて
「クソ
負傷のせいでいささか
ラトはステッキを軽く持ち上げてみせる。
「僕らより先に地獄に
その瞬間、黙りこんだガルシアの表情には、それまで見たことのない感情の
好意的にとるならば罪悪感とでも呼べばいいのか。
もちろん
ガルシアは二人を殺害した罪により裁判にかけられることになる。
「こうなってみるといい
クリフが言う。
「ひとつ聞きたいことがあるんだが、ラト、お前は何故こんな事件に首を突っ込んだ?」
「事件の
「エストレイと一緒に死んでいたっていう
ラトは
「
真実、彼女が身分違いの恋に
「名前はマリー。エストレイとちがい、誰もその死の
名探偵の
「女神レガリアが見たいってのと、マリーの死の
「クリフくん。それは
「ふん。それで、
「もしかしたら、最初からカーネリアン邸には
「なかった?」
「そう、地下にあったあの場所は、盗難者を
「それじゃ、カーネリアン夫人は長い間、ニセモノの宝の
「魔術やレガリアの常識を
それが真実だとしたら、夫人にとっては
彼女はありもしない
この世の
「あくまでも
話し込むラトとクリフを
その正体は、ガルシアを
執事が
ガルシアが
女神レガリアも
「これは
ラトはそう言って玄関口を離れた。クリフも
ギルド街の
「これからどうするんだ、お前さん。所属しているクランは追い出されたんだろう?
クリフは
ラトのせいで
しかし、返事がない。
ラトはまったく心を
何を考えているかは誰にもわからない。
じきに冒険者ギルドの
クリフはラトに
「じゃあな、
そして、
「あぁあああ―――――――っ!!」
ラトは突然、
夜もなお迷宮に向かう者、迷宮から引き返して宿に向かう者、冒険者、商人、ギルド職員がひしめく街角でラトは思いっきり
そこに
「
紳士淑女は
クリフは
しかしラトはすんでのところで身を
ここまで来た道を、
「僕はバカだ!! 世界で一番の大馬鹿ものだっ!!」
とても
クリフも
「やめろ、ラト!
「一秒だって止まれるものか! 女神レガリアが無いだって!? だって、そんなことあるわけないじゃないかっ」
「落ち着け、
「落ち着けない、落ち着けるわけないよ、クリフくん! ガルシアは女神レガリアのありかを知らなかったんだ。知っていたらとっくの昔に女神レガリアを手に入れていたっ! 僕らを
クリフは何度もラトの
そして
止めようとするメイドや執事を
「夫人! しっかりしてください、夫人。エストレイは決して
ラトは
狂気は止まることなく、けたたましい
「どういうことです? いったいこれは何の
「わかりません。しかし俺は無関係です、
ラトは夫人の手を引き、ベルベットの
事情がわかっていないメイドの手からランプを
クリフやメイドや執事、衛兵隊を引き連れて、開け
そこには
ラトは夫人の手を離し、
「ラト!」
そこで、ようやくクリフはラトの元に
「クリフくん、おかしいと思うべきだった。夫人は隠されたこの部屋に、さほど
いつの間にか、ラトの
世界一高級な
ラトの手は台の底にぴったりはまった
「エストレイは、間違っても悪人に女神レガリアを
その手が、本当の台の底を隠していた板を
女神レガリアの隠し場所である台の内側は
板の下には鉄の箱が
それも、
ラトはこれを取り出し、
うしろから衛兵たちが手にした明かりを差し出すが、その必要はなかった。
ラトとクリフの横顔を箱の内側から自然と
箱の内側に
その瞬間、夫人が泣き
箱の底には、女神の奇跡が残されていた。
悪に
《エストレイ・カーネリアンによろしく おわり》
《現代ファンタジーの世界から、名探偵に愛をこめて》
《追放ものと名探偵というアイデアをくれた妹へ、ありがとう。最終的にあまり追放ものではなくなったので改題しました。》
*****名探偵レガリア鉱石スキル《犯人看破》*****
探偵によって《犯人》に指名された者のレガリアを一つだけ使用不可にする+二倍ダメージ。
ラトが元々持ってた鉱石技能。
名探偵レガリアにはまだまだ隠された技能があるらしい。
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