第137話 開国記念祭、だお
開国記念日を迎え、街はお祭り騒ぎとなった。
アオイちゃんちーが計画していた数々の露天商が出店され。
街は記念日を祝うように活気づいていく。
そこに、北国に領土を構えたダニエル将軍がやって来て、出店のたこ焼きとウォッカを嗜んでいた。
「タケル殿、この度は開国なされたようで、おめでとうと言っておこう」
「ありがとう御座いますダニエル将軍、そちらの国と互恵関係になれるよう頑張りますから、今日はゆっくりして楽しんでいってください」
「ああそうする、ジパングの食べ物はどれも美味しいな、たこ焼きにはこのきつい酒がよく似合うぞ! アッハッハ!」
午前中は民衆による祭りごとで開国を祝い。
午後はアオイが提案した闘技大会が始まり、各国に僕の国の武力を誇示する予定だ。
そのためにもライザには気張ってもらいたい。
そして闘技大会が終わった後は、今日来てくれた各国の代表による祝辞を頂き。
最後に、僕が開国の挨拶を述べて、記念日は終わりとなる。
あとは九龍から寄こされた要望をクリアし、労働力を確保して色々と事業を展開していく。
僕たちの国づくりは、もう目の前まで来ているも同然だ。
「お兄ちゃん、私たちの国によるダンスも見てってよね」
「お、おう、アオイはなんだかんだこの国に貢献してるよな」
「まぁねー、にしても今日のお兄ちゃんちょっと変だね」
「緊張してるんだよ、この後で開国の答辞があるし」
「うんうん、あんたは見違えたよ」
とかなんとか抜かしているアオイにも、後で祝辞を頂くぞ?
こいつのことだからとんだ赤っ恥掻きそうだけどな、はは。
「タケル」
ウルルが僕の名前を呼ぶと同時に腕を組んだ。
「今日は記念する日だから、私と一緒にお祭りを回ろう」
「OKー、どこか行きたい場所ある?」
「タケルとならどこでもいいよ?」
「と言われても、僕も目ぼしい目的はないんだよなぁ」
じゃあ、適当に散策しようか。
祭りで出されている露店をウルルと一緒にあっちこっち巡っていく。
中には大人の玩具を売っている馬鹿がいたのですぐさま撤収させた。
そうやって露店を巡っていくと、この国に訪れた外来客の反応が見て取れる。
「うわー、こんな珍しいもの、地元じゃ先ず手に入らないよ。これいくら?」
「銀貨20枚でいいよ」
「あ、買う買う。他にもまけてくれると助かるんだけど?」
「おう! 今日はタケルさんが必死になって国を興した記念日だ、言い値でいいぜ!」
「助かるー、ありがとうねおっちゃん」
気前のいい露天商もいるみたいだし。
って、あの人、暗黒街にいたキノコ商のおっちゃんじゃないか。
「おうタケルさん、いたのか」
「キノコ売ってるんですね、以前は見なかったキノコまで盛りだくさんですね」
「ケヘランの努力あって、山が蘇ったからよ、キノコも豊作だよ」
「ふーん、じゃあキノコの盛り合わせくださいよ」
「あいよ、タケルさんじゃあ代金は貰えねーな、本当に、ありがとうよ」
こちらこそなんだよ、お礼を言うのは。
ありがとうキノコ商のおっちゃん。
僕は祭りに訪れた人たちに最大限お返ししたくなり。
「自動精霊、今日は祭りだから、店という店を稼働させておいて」
「かしこまりました」
自動精霊を酷使するようでなんだか罪悪感が生まれる。
いずれ、自動精霊にもお返ししなきゃな。
ライザの末の弟、ロンを筆頭とした国の子供たちが目を輝かせて店を回っていた。
「これがタケルの故郷の風景?」
「え? これよりかは規模は小さいけど、祭りの時はまぁこんな感じ」
「私好き」
「僕も好きだよ」
人がいっぱいで、活気に溢れてて、安堵する。
そういう、日常が久しぶりに帰って来た気がした。
いずれはここに母さんや父さんも呼んで、僕は新時代を築きたい。
この国では何よりも平和と平和がもたらす日常を大事にするのだろう。
だから、絶対に成功しないとならない。
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