W-3 11.3  はなびら舞う

「ぬ、抜けたーッ!?!?」


「むちゃくちゃアル…」



 会場が目撃したのはナユカのとんでもない速度で多角的に高速で弾幕の中を突っ切る光景。あまりに短時間で雨を避けるかのような行動に会場も実況ですらも目を擦る。



「ナユカ選手まさかあの状況から1人逃亡に成功!よく見たらビュア選手の〔ステルス〕が解除され、4人はお見合い状態だー!!」


「ナユカ選手が抜けた所を追いかけたい4人アルが…。この状況で追いかけるとほか3人に狙われる可能性の方が高いアル。アルなら間違いなく狙うアル」


「お互いの牽制。アルの言った通りそれは当たっているのではないでしょうか?全員一定の距離を保ちつつナユカ選手の方には行きません!」



「そしてこうなったらユキ選手以外も逃げないとまず重症は避けられないアル。最悪3人で結託してもユキ選手なら何とかしてしまいそうアル」


「逃げたい3人と倒せるうちにコマを倒しとこうというのか…ユキ選手攻撃を開始しました!」



『仕方ないし〜、先にこっちやっちゃおうか〜』


『【結晶拳クリスタルIアーマー】』


『【PAPARAZZIパパラッチ】』



「ビュア選手とヒカリ選手が同時に攻撃!!これは見事な連携です!」


『風となるもの、その強き御魂みたまに降霊せよ、我の言ノ葉ことのは我にあらず、神のもの拝借はいしゃくす。【風尾符かざおいノふ】』



「2人が動いたのを見てすぐにリン選手も詠唱を開始!」


「〔結晶〕〔拳術〕〔気力〕〔気術〕〔装備〕〔カメラ〕〔表示〕〔魔力〕〔譲渡〕〔風〕〔霊力〕〔追尾〕あああぁぁぁ!多すぎて解説できないアルッ!!」



 まるでポンポンと出てくる技の数々。その後も技と技がぶつかり合うがさすがに全てを追い切れないアル。


『〘追尾〙〘拡散〙』


『お〜。【銀世界ホワイトカーペット】』




『【1フレームの】』


『略式重複【風尾符かざおいノふ】』


『【空壁拳ノンウォールIセッター】』



「すごい!凄すぎるとしか言えませんッ!全員同時に逃亡を開始!!」


 ビュアは一直線に吹き飛ぶように逃走。

 リンは加速バフを二重がけし飛行で逃亡。

 ヒカリは咄嗟とっさに空中を殴りつけ反対側に吹き飛ぶように逃避行。

作戦も何も無かったはずだが息のあった行動に流石のユキも3人を取り逃がす。


「リン選手もすごいアル。よくリリースの行動を読み切ったアルな…」



 半分技のスキルを解説することを諦めたアルが感心したように声をマイクに乗せる。そう言われてみればと観客たちもリンへの評価は高くなっていく。



『全力で逃げなくても〜』


 会場。満場一致でユキから逃げ切った3人を褒めたたえた。


 誰か一人に狙いを絞って追いかけることもできたユキ。だがしかし、ユキも追いかけるほどの余裕は先の仕込みのせいでそこまでない。

 少しMPとWPを自然回復させることにしたようだ。



「場所は変わってアリア選手!こちらも何やら動き出すでしょうか?長い長い詠唱が聞こえてまいりました!」


「ちょ!?何本MP回復飲んでるアル!?」


 そして会場はすぐにそれを目にする。



 突如フィールド全体を覆うほどの馬鹿げたサイズの魔法陣を…


「魔法陣の天災。アリア。そりゃ…そう呼ばれるわけです…」



ーーーー


スキル:結晶


カテゴリー:変化系

ランク:白

発動:アクティブ

概要:MP消費で結晶を地面から生やすことが出来る。結晶がもたらす自己強化バフ「防御力上昇」「攻撃力上昇」「指定箇所結晶化」。


ーーーー


スキル:拳術


カテゴリー:技術系

ランク:白

発動:アクティブ

概要:拳に対してモーション補正を受ける。拳技のコンボ補正有り。※コンボ 継続により威力上昇。


ーーーー


スキル:気術


カテゴリー:技術系

ランク:白

発動:アクティブ

概要:〔気力〕に対してモーション補正を受ける。〔気力〕を使った攻撃威力が1.1倍。気力を纏わせて被弾魔法威力を5割削減する。


ーーーー


スキル:カメラ


カテゴリー:撮影系

ランク:青

発動:プリセット

概要:MP消費で「撮影系」スキルをセットした〔カメラ〕を飛ばすことが出来る。


ーーーー


スキル:譲渡


カテゴリー:運搬系

ランク:白

発動:アクティブ

概要:指定した人物にアイテムを渡す。金銭の要求はできない代わりにアイテムは最大100個まで可能。瞬時にアイテムは相手に渡されるためタイムラグ無し。自分が持っているバフやデバフも相手に渡すことが可能。しかし相手にも拒否権あり。


ーーーー


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る