EC:203 目覚め。そして戦う。私はここを守る為に。
状態異常:気絶
未だ動くことができないナユカ。意識のない状態でもう何も出来ない。
男はトドメを刺そうと近づいて行く。そしてそのまま剣をナユカに振り下ろした!
「させるわけッ!…ないだろ?w」
ガンッ!!
横から間一髪で割り込んだのは、やっと中央にたどり着いたハルト。そして…。
「ギル!足止めですわ!私はナユカを!」
「きゃぉ!」
その少し遠くからアリアと、従魔のギルバートが追いついてきていた。
ハルトは【瞬会】を使い滑り込むようにして敵の剣を止める。そしてそのまま今度は切り返し、何とか敵を後退させることに成功した。
それを即座に追撃。敵にさらに詰め寄る!
「【剣ノ弾幕流儀】!」
詰め寄りながらも弾幕を散らし、近距離を維持しながら、動きも制限される敵からしたてみれば厄介なことこの上ない。
これで剣の性能がオーダーメイドなのだからハルトの攻撃力は、リリースの中でも群を抜いている。
ちなみに、瞬間火力だけなら、
アリア>キリア>ミカ>ハルト>ユキ>ナユカ>ヒカリ>アキアカネ>ビュア
となっている。現段階では、アリアの大規模魔法陣に勝てるものはそうそうない。
ミカ、周り大惨事
キリア、大規模爆破
アリア、災害
※ヒカリのバグ技パンチは無効です
と言った感じだ。
ただし、総合的に1番の攻撃力なのは、持久的に常になかなかの火力を高速で叩き込める物理攻撃持ちのハルト。というわけである。
まあ、それぞれ良さ悪さがあるので、なかなかゲームとしてのバランスはちょうどいい。
※注意。これはあくまでもリリースの基準です。
閑話休題。そんな敵を追い詰めるハルトをよそに、その隙を使いアリアはユキが吹き飛んだ場所に到着していた。
アリアはユキの死亡地点蘇生アイテムを使う。
これ一つで博物館以上の価値があると言えばわかりやすい。そんなものを持ってたアリアも異常ではあるのだが…。
「間に合いますわよね?」
『大丈夫です。間に合いました』
「ナビィさん…だったっけ…?ですわ!」
『ログアウト阻止は出来ませんが、遅延措置は可能でしたので、できる限り遅延措置をとっていました』
「さすがですわ!!」
蘇生アイテムは粒子のようなものを撒き散らし渦を巻きながらその場に収束していく。そして眩く発光した。
*
「ナユカッ!起きるのですわ!」
…こえ?
目が覚めると、私の目の前には、心配そうに覗き込むアリアさんと、何故か泣きそうなユキが…。
えっと…。どういう状況?
「ごめん…ナユカ…。私。ナユカより先に死んじゃだって…。ごめん」
「えっと…。大丈夫だよ?ユキは悪くない。だからそんなに泣きそうな顔しちゃダメだよ?」
「でも…」
おっと、これは重症だ。
そのまま起き上がり、私は今にも泣きそうなユキを抱きしめる。
「大丈夫だよ。私はここにいるでしょ?」
「うん…」
ほんの少し、そうしてユキを落ち着かせてると、何故かアリアが気まずそうにこう言った。
「いつもとなんか立場が逆ですわよ?」
こら!余計なことを言うんじゃありません!
そうして、立ち上がる程度には立ち直ったユキが、その元凶を見つめる。
「守人。それは私の使命。でもね〜ナユカ〜。私は好きでやってる事だから。出会ったあの時、あの瞬間。今まで一緒に楽しんできた時間。そして今も、私は守人としてあなたのそばにいる。あの敵を倒して、これからも」
「うん。もちろんだよ」
ありがと。
「行くよ〜?ナユカ。今度こそあいつを倒す!」
「了解!」
「私いなかったことにされそうですわね?」
そう小言が聞こえたけど、今いいとこだから無視で。
*
私達3人が戦線に戻ると、そこには…。
「おっ!何とかなったかw」
「ん。遅い」
「あんたが言う?」
「無事でありましたか!!」
「よきよき」
「皆さん。攻撃来ますよ?」
「うちはいつ撃てばいいんだッ!?」
「…まだ」
「全員、バフをかけましたわ。これでMPの続くかぎりは」
「余裕はッ!?ないけどねッ!?うわっ!!」
「前衛大変そう…」
「シズカ…人事じゃないからね?」
「いつも通りなのはいいこと…のはず」
「槍がッ!あまり意味を成してないッ!!」
「「気合い」」
「ノォォォォーーー!!」
なんか…。
「楽しそうだね?」
「いやいや〜、向こうは大真面目だと思うよ〜?」
上から、ハルトさん、ヒカリさん、アキアカネさん、軍曹、ヒヒリーさん、ビュアさん、そしてアインズとその他プレイヤーが勢揃いしていた。
おぉー。オールスター。
と言うかよくみんなこの短時間で集まったね?
「ナユカ…。15分くらい気絶してたからね?」
「へ?」
「そもそも、気絶の状態異常が切れたのに目を覚まさなかったナユカさんを心配して、ユキは泣いてたのですわ…」
「泣いてない!!」
わお…。てことはみんな結構頑張ってくれてたみたいだね…。
「ギル。皆さん?行きますわよ?」
「きゃぉ?」
「うん!!」
「泣いてないから〜ッ!」
飛び出した3人と1匹。
こうして私たちの戦いはラストマッチとなるのだ。
…ちょっと!?なんか可愛い子がいるんだけど!?後で触らしてよね!!
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