EC:196 スカイスクランブルより。
ヒカリの策略により、何も分からない程の大爆破を起こしたフェンリル。
あまりにも沢山のスキルやその効果。エフェクトが一箇所に集まり過ぎたために起こったラグ。その上に悪意を持ってさらに倍の攻撃をぶつけるヒカリ。自らの命と引替えに起こす、破壊のバグ技はフェンリルに直撃する。
音を、光を置き去りにして起こる破壊は、フェンリルの体に、物理的な欠陥を与えた。砕けるフェンリル。HP何てものは結局はゲーム内での命でしかなく。ゲームごと壊してしまえば意味は無い。
ゲームの崩壊。
それはその局所的なところだけでは収まらない。
それは外側の狼達の進軍を止めていたプレイヤーにまで衝撃を与える。
世界に入るノイズ。割れる空間。何人かがその亀裂に飲み込まれ死んだが、狼の群れにもその亀裂は崩壊をもたらす。
もちろん、遠方にいたミカ、ビュアもいきなりの異変に驚愕していた。
「なっ、なんだなんだッ!?一体どうなってやがる!!」
「とにかく、亀裂に巻き込まれないように!」
「わかってらっ!」
2人は爆心地を見ながら、そちらに向かって川沿いを進み続けた。
*
「なんだッ!?ありゃw」
「わか…らないですわ…。ともかく、もうすぐ着くので急ぎますわよ!」
「うるさいなぁ。指図するなよ!」
*
「ん…」
「むちゃして…。何とかなったから良かったものの…」
「なんで?」
目を覚ましたヒカリが見たのは、アキアカネの…。
「胸が無い私への。宣戦布告。と見た。よろしい」
絶賛、目の前には大きな丘が2つ。自分にはないそれを見て何を思ったのか、往復ビンタを食らわせてやった!
悲しきかな。本人へのダメージは皆無である。
「何してる?」
「ん。目の前の邪魔者退治」
「それで?退治出来そう?」
「無念…」
「まだ成長期だから気にしないの」
「ん」
現在、ヒカリはアキアカネに膝枕されている状態だ。
どういう訳か、ヒカリは死ななくて済んだらしい。
いや、〔死念〕は発動したようなので死んだようであるが、アキアカネがなにかしたのであろう。
「なんで?」
再度問いかけるヒカリ、あの場面であれば、もう既に自分にできることなどなく。現在、フェンリル討伐後は周りも静かで、狼の群れもどこかへ消えてしまったようであった。
別にわざわざ蘇生しなくても大して問題はなかった。そうヒカリはアキアカネに問うているのであろう。
「そりゃー、大事なクリスタル使ってまで、助けに来たのに、ヒカリを死なせる訳にはいかないでしょ?」
「ごめん…」
「いいよ。私もヒカリ助けるのに使っちゃったから」
「ありがと」
「うん」
あの大爆破の瞬間。同じくアキアカネは「強制召喚クリスタル」を使い。拳が当たった瞬間にヒカリを自分の目の前に召喚したようである。
ヒカリはこの時、「死」が確定しているためそのまま死ぬが、アキアカネは蘇生アイテムを使うことで即座にヒカリを復活させて今に至る。
蘇生アイテム。ヒヒリーが使った蘇生ポーションとは違い。入手困難。製作も困難。「強制召喚クリスタル」よりも数はあるものの、同じく莫大なコストが必要になるそれをアキアカネは同時に使用していた。
HPがゼロで止まり。尚も攻撃を喰らいながら戦ったヒカリ。〔限界突破〕も併せ、〔死念〕も使ったバグ技。RBGを持ってしても局所的に処理落ちするレベルのスキルと破壊をまき散らし果てた命を。アキアカネは全て詠んだ上でヒカリを助けた。
RBG内で2つつ存在するとされる「強制召喚クリスタル」が2つ使用されたが、本人たちはそれで良かったと後に語る。
彼女達の未だ語られぬ、半公式になる以前からの本気。2人の絆はリアルとゲームで尚も
"
「ヒカリ。これは2人のどちらかがピンチになった時に使おうよ!私は必ず助けてあげるからさ!私が呼んだら全力で助けてね?」
「ん」
"
「さて、全員無事ですかー?」
「なん…とか…」
「私は大丈夫ゥ!!」
「じゃあ、ナユカさん達を助けに行きましょう」
「ん」
「はいであります!」
「はーい!」
*
"
「ほう?さっきの小娘といい、今日は客が多いこっこ」
「なにあれ?」
「NPC?」
「まあ良い。お主達にも試練を与えようこっこ。見事我に勝てたなら、褒美をさずけようこっこ」
「ヒカリ…」
「アキアカネ…」
「「なにあれカワイイ!」」
"
「"」イベント、スカイスクランブルより。「クリスタルペア」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます