EC:193  ワォ!ボコボーコ!!




「ん。追撃」


 遠方からのビームにより吹き飛ばされたフェンリル。自爆じばく覚悟で準備していた魔弾をヒカリは追撃するためにそちらに放った。


 スキル〔死念〕は、ヒカリが生きているため発動しないが、充分なMPとSPを込めているので相当でかいダメージがフェンリルに入る。


 ヒカリは自身が持っていた魔力回復ポーションを飲み干しながら、ビームの射出位置を見つめていた。




(このビームは…。ミカ?)



 なんとなくミカの攻撃とヒカリはアタリをつけ、感謝しつつ目の前のフェンリルに突撃する。




ーーーー



フェンリル


HP0├────────╂──────┤

1 199 853 005/2 000 000 000



ーーーー



 だいぶ減ったフェンリルのHP。それでも半分以上あるという点。まさしくバケモノである。




「軍曹。頼みがある」


「はい!なんでありますか!!」



「兵隊。少しだけ。貸して」


「い、いいでありますが、〔指示〕や〔前身〕、〔統率〕とか…。そこら辺のスキルがないと操作できないでありますよ?」


「持ってる」



「わかったであります!どれが欲しいでありますか?」


「早いの」



「了解であります!!したらば騎兵きへいを!」



 軍曹がそう言うと同時、ヒカリの周りに騎兵と名ずけられた兵が集まってくる。指揮権をヒカリに〔譲渡〕したようで、ヒカリがそのうちの一体に〔命令〕するとその通りに動いた。ほんの少しだけGPが減る。


「サンキュー」



 ヒカリが騎兵を受け取り、フェンリルを見えた頃には、激突し、ヒカリの攻撃でさらに衝撃が加わり粉々になった壁からフェンリルが抜け出してきた。


ガルルルルルルル…



「私が。前出る。もうらわない。2人は援護。行ける時は遠距離攻撃を」


「YES!」


「了解であります!!」


 その場から飛び出したヒカリは、今度は騎兵を自身の前方に展開しながら、自らフェンリルに攻撃を仕掛けに行く。


「【乱幻拳ビジョンパンチ】」


 そのままフェンリルに騎兵を盾にしながら猛接近し、パンチ。たった一振。しかし、それと同時に現れる弾幕が、無数に局所的に同着する。

 その中のいくつかは当たる前に、まるで幻想のように消え、相手からしたらどれが本物の攻撃なのか分からない。


 さらに、フェンリルの抵抗ていこうにあい、数体はつぶされてしまった騎兵だが、残った個体を器用に使い。超接近したままヒカリは自身の居場所、姿をフェンリルに見せない。



「ヒヒリー!援護していくでありますよ!!」


「うぃっすぅ!!」



 すかさず2人からも弾幕を飛ばされ、さすがにフェンリルもだまっていない。



「ん!?」



 危険を察知さっちして後方に下がったヒカリ。フェンリルは自身の周りに紫色の炎をまとう。



「あれは…」


「ヤバそう?」


「ん。やばい」


『あれは紫オーブと同じ反応を示しています。当たるとその場にバグが発生する可能性が高いです。しかし、オーブと違い物理的に存在はしていないようなので魔弾は紫の炎を貫通してダメージを与えられるでしょう』



「なるほどであります!!」


「ポーションも可?」


『貫通します』



「オケオケ!」


「くる」



ワォォォォォン!!



 またもや咆哮ほうこうをあげるフェンリル。


パパァァァァァンッ!!!


 それと同時に、今度はヒカリが咄嗟とっさに前方全域に〔衝撃波〕を。

 

 同じく同時になにかポーションを投げたヒヒリー。


 両者、咆哮を相殺そうさいするために、咆哮として聞こえる音の波を2人で相殺する。


「ナイス」


「そっちもー!!」


 またもや、突撃してくるフェンリルだが、今度は誰も状態異常にはなっていない。


「【歩兵!突撃!!】」


「おりゃー!プレミアム一点物!くらえー!!」


「【流星拳メイクハンズメテオ】」



 思わぬ反撃と、なぜか自分の攻撃が効いていないことに驚いたフェンリル。その動揺どうようのおかげか、特に回避行動をとるまもなく攻撃が当たる。


 まずはヒヒリーが投げたポーションがあたり、一瞬にしてフェンリルが上下左右、前後が入れ替わるという訳の分からない状況になった。


 これはヒヒリーの言っていた、一点物のポーションのおかげであり。反転ポーションというアイテムのおかげだ。

 触れたもの、人をその名の通り、反転させる。

 たまたま偶然ぐうぜんミスか何かで産まれたこのポーションは、今のところヒヒリーオリジナルだ。


 そして、そんなポーションをらったフェンリル、ダメージは無いが、現状お腹をさらし、おしり側がヒカリ達の方を向いていることになる。そこに続々と集まる歩兵。

 そして、ヒカリの技、【流星拳メイクハンズメテオ】がフェンリルに降り注ぐ。その名の通り、上からってくるパンチ…


 なんということでしょう、はたから見るとただイヌをいじめている絵にしかならない。当の本人達はいたって真面目に攻撃しているのだが、ここに誰かいたなら必ずこういったはずだ。



 リンチ。きっとその言葉が適切であろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る