567:DPってありがたい
何となく色褪せた感じがするのは。魔力不足の証拠なのだろうか? 迷宮機能集中総操作室だったか。当然の様に、この迷宮にも存在した。
溶岩が固まった様な柱の隙間に、拳よりもちょい小さいサイズのダンジョンコアを発見した。
えっと確か、古代迷宮:石棺だったかな? あのダンジョンだと石灯籠的なオブジェに鎮座していたけれど、ここでは自然石で出来た柱だ。
「掌握」
掴んだ。
ここは、古代迷宮:火山……らしい。まあ、それ以外にもイロイロと情報が流れ込んできたが、相変わらず、煩雑で膨大で整理されて無くて正直、抽出作業が難しい。
(相変わらず……ムチャクチャだな……迷宮管理)
(ここは特に……複雑だ。ああ、やはり、イロイロと手が入っている……な。いつまで……何年前までかは判らないが、確実にここに
(予想通りか)
(現状は……こうしてあっさり掌握出来たことからも判る様に、死亡……またはここを放棄……した……感じかな)
(それって、簡単には判らないの?)
(記録は残っているから判る様に感じるかもしれないが……正直、記録データかダミーなんだか良く判らない変なデータも多くて……多分予想だが、複数のこの迷宮を掌握している場合、
(ああ、そうか……掌握してしまえば、分体だけじゃなくて、本体も移動出来るんだもんな)
(ここが二つ目の迷宮だとして、最初の迷宮に敵が侵入した……なんてことになったら、当然、
そりゃそうだな。
(その場合、こちらの迷宮は今さっきの掌握する直前の状態と同じ様な感じになるハズだ)
んじゃ、つまり……取り返しに来る可能性もある?
(あるのだが……だが、既に掌握後しばらく経過したというのに反応がないからな。ただの忘れ去られた迷宮の一つだったか)
(これからかもしれないぞ?)
(まあ、そうだな……掌握解除してしまえば、管理室間の転移も行えないしな)
(というか、ショゴスの能力で、掌握じゃなくて、乗っ取りとかできないの? そしたら、元の
(無理……だな。とにかく、
事前準備は無理か。
(逆に、掌握されても、いきなり本拠地=カンパルラの迷宮に乗り込んでこられる可能性が無い方が利点は多いんじゃ無いか?)
(そうだな)
(とりあえず……戻るか。この迷宮の入口の閉鎖は可能?)
(問題無い。そして、転移も……問題無いな。既に百回以上移動してもエネルギー切れは起こらないハズだ。まあ、使いきってしまうと再度、蓄積させるのが大変になるが)
(掌握すると、純粋に、支配力というか、影響力というか、そんな様なのが増加するんだよな?)
(ああ。なので、今回この
そうか。まあでも、減ってはいないならいいか。
(ああ。ここで慌てて……
(ん?)
(元々、迷宮のシステムには設定した魔物の再出現の仕組みが組み込まれている。その工程通りに進めると、非常に低コストで、低エネルギーの消費で、失われた魔物を再設置可能だ。まあ、この辺は自動で行われる様になっている)
うん、まあ、アレだ、ゲームみたいな仕様だよね。倒した魔物がいつの間にか再出現するってヤツ。
(だが、それを曲げて、強引に再出現……再設定することも可能だ。だが、その場合、強引に出現させる……ということになるのか、初期設定時に必要なコストと同じくらいのエネルギーを消費する)
(ああ、DPな)
(DP?)
(迷宮の運営……それこそ、エリアや魔物を設定するのに必要なコストの単位。ダンジョンポイント=DPだったと思う)
(そういえば……ここや他の迷宮のシステムには……そんな……表記、単位は無いな……つまり、サノブの迷宮はそれだけ判りやすくなってるということか)
そうなのか。というか、俺の迷宮と同じ感じでDPを支払ってイロイロと構築できるんだったら、こんな巨大な迷宮を途中で放棄……することは無いもんな。
ここ、明らかに設計&施行ミスだろっていう。
(それだけ複雑で面倒だということだ。それは自分が一番わかっているだろう?)
うん……まあ、正直、情報が……うーん。そうだな。二進法の数字の羅列で表示されている感じだろうか? 一端変換をかけて、プログラム構文を表示して、さらにそれの意味を考えてから、大元の公式を解析していく……といった感じ……だろうか。ぶっちゃけ、工程が幾つも必要で、フィルターをかけまくらないと正しい動作をしてくれない。
女神様が……ロゴブロックとフィギュア、DP……いや、ゲーム的なシステムを開発? 採用? してくれて良かった。
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