382:ダンジョンコア
まあ、前人未到とはいえ。等級の低い冒険者、初心者向けのダンジョン。発生した敵は……
第五階層
レベル21 オーク
レベル23 オークソルジャー
レベル24 オークメイジ
第六階層
レベル25 ボム
第七階層
レベル26 ファングベア
第八階層
レベル28 アッシドスライム
レベル29 アッシドリザード
てな感じで、正直、大したことは無い。
体力が少なくなると自爆するボムは、ある程度削ったら、離脱して、風魔術で切り刻んでしまえばアッサリ倒せる。
毒攻撃を仕掛けてくるアッシドスライム&リザードは近づかなければ、ただのスライムとトカゲだ。火の魔術で燃やしてしまえば、なんてことは無い。
特殊な敵を集団で設置して、特訓したのは無駄じゃなかったようだ。初見の敵でもある程度余裕を持って対応が出来ている。
恐怖を感じないのは大きい気がする。
さらに、九階層は
第九階層
レベル30 ストーンゴーレム
お久しぶりってなもんだ。錬金術の素材取りでもの凄くお世話になったゴーレムの基本型。正直、素材も完全に被っている。経験値とかも大したことないんだろうなぁ。
ぶっちゃけ、「高熱火球」で一撃である。
十階層。そそり立つ大扉。ここがラスボスかどうかはわからないが、ボスなのは確かだろう。
第十階層
レベル35 ヒポグリフ
上半身……頭と背中の羽は鷲。下半身は馬……驢馬? な感じの魔法生物……だった気がする。キマイラとかそういう、人造の魔物ということなんだろう。
グリフィンと牝馬の間に生まれた……なんて説もあった気がする。
あ。ちなみにグリフィンは上が鷲、下が獅子だったかな? 強いの掛け合わせちゃった的なノリだろうか? 鷲が鳥の王で、獅子が獣の王だから、海外貴族紋章で、王家を象徴するケースも多かったと思う。
……このヒポグリフ、乗れないのかな……? そういえば、この世界、天職に獣使い系が見あたらないな。まあ、俺が知らないだけかもだけど。
そういえば、竜騎士は存在するってシロが言ってたな。上位天職だったかな? まあ、その辺はファンタジー小説だと定番だからか。
とりあえず、あっという間に殲滅が完了した。
(こいつがこのダンジョンのボス……だな。そういえば、ここまで一気に来たけど、君の言っていた怪しいポイントは?)
(多分、この部屋の下……だと思う)
下……確かに、隔離されたスペースがある……な。俺が作る次元扉用の部屋みたいな感じかな……。
何時もやってる様に「大地操作」でその部屋への階段を作ろうと……するが、思ったよりも魔力を消費する。
いつもの……数倍、いや、数十倍の魔力を消費してボス部屋の中心に下への階段を生み出した。
(とりあえず、何があるか判らない。ちょっと待っててくれるか?)
(了解した)
階段を降りる。このダンジョンと同じ作り……石造りの部屋だ。中央に台座。石灯籠にも見えなく無い。
そこに……青白く輝く、水晶のような石が浮いている。大きさは拳よりもちょっと大きいくらいだろうか。
これが……ダンジョンコアか。
ダンジョンには必ず、このダンジョンコアが存在する。これが破壊されたり、持ち出されたりすると、そのダンジョンは徐々に消滅するのだ。
ダンジョン攻略はこのダンジョンコアをどうするかで大きく変わる。実際にコアはもの凄い「魔石」としても機能するらしい。そのためこの世界での価値は異常に高く、高額で取り扱われている。
通常……このダンジョンコアはラスボスの広間の奥に存在することが多いが、極まれに発見されないこともある。このダンジョンの様に、隔離された地下に存在するパターンもあるからだ。
ラスボスを攻略する→ダンジョンコアを発見した場合、選択肢は三つある。
1:破壊する:ダンジョンに対して恐怖しか無かった時代はこれが普通だったそうだ。多くのダンジョンが破壊され、消滅していったという。
2:持ち出す:冒険者が攻略の中心となった時代になると、ダンジョンコアの多くはダンジョンから持ち去られた。そして冒険者の戦利品として報酬としては扱われる。売り払われたコアはダンジョン外で、魔道具等で使用されることになる。
3:掌握する:あまり知られていないが、この台座にコアが鎮座されている状態で、「支配しよう」と考えて魔力を注ぐと、それを為そうとした者によってダンジョンは掌握される。この際、ダンジョンを手に入れた者……多くは高階位の冒険者だったが……は、
俺が最初から
それこそ、まず、ダンジョンコアを掌握するための魔力が足りなければ、魔力枯渇の上、生命力も枯渇し、死ぬ。実際、そうなった者も多かったという。
そのため、現在この世界では、ダンジョンを掌握し、
魔力が希薄になりつつあったことが世界中のシステムを弱体化させている。その事も関係しているらしい。
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