ロゴブロックで創るダンジョンマスター・異世界二重生活・セカンドライフ

364：上げてから転職

「……そもそも半年の予定だったのだぞ？」

　ギルドマスターがご立腹だ。

「数回、階層墜としの罠にもはまっちまったんだよ。まあ、何よりも目的の秘薬が出ないんだ。奥へ奥へと進むしかないだろ？　当然だろう？　諦めたときだって、アタシ一人ならどうにかなるんじゃないかって、進もうかと思ったくらいさ。悔しかったよ。フランに任せろと言った手前、自分で自分が許せなくてさ」

「まあ、そんなモノだと思っていたよ……。サーマラがそして「銀剣」が行き倒れるなんて考えられないしな」

　グロウス様もお手上げな感じだ。ああ、そうか。彼女も「仲間」なのだ。この二人、そしてディーベルス様、そしてさらにその奥方フラン様とも。

（少々時間がかかりました……。サーマラ様は魔力値が少々特殊なようです。さすが、巨人種の先祖帰り。非常にレアケースだと思うのですが……迷宮創造主（マスター）。彼女をどう思われます？）

（ん……強い……勘が良いみたいだから、まだ【鑑定】してないけど……強いよな。少なくともアーリィより強い……気がする）

（はい。確実に……武力として考えれば、この国トップレベルです。ですが、名前が売れておりません。この辺……何か理由があると思って、過去の情報を精査していたのですが……ほとんど見つかりませんでした。パーティ「銀剣」所属……の様です）

（そうか）

　とりあえず、口調的にあまり気を使って話さなくて良いのかな。

「フランのとこには先に寄ってきたんだ……クーリアが駆け寄って抱きついて来たよ……。あんただったか。もしもアタシが秘薬……エリクサーを手に入れても、今頃戻ってきたんじゃ、確実にあの娘は死んでいただろうね。話を聞くに。感謝する。この通りだ」

　巨体が……一瞬で小さくなり……土下座となった。あ。なんか懐かしい。

「奥様、それはもう、……それこそ、感謝の気持ちも、金銭的な物も全て、皆様からいただいております。お立ちください。私はするべきコトをしただけですので。無料奉仕ならともかく。商売をさせていただいただけです」

「判った。奥様はこそばゆい。サーマラでいい」

　立ち上がる。やはりデカい。俺よりもかなり大きく、見下ろす角度となる。

「あの……ゲルク様、申し訳ありません……奥様、いえサーマラ様は弐級ということで、非常に実力のある冒険者とお見受けしますが～正直、これまで全く噂では聞いたことが無いのですが……これは……」

（こういうのは直接聞いてしまうのが速い）

（はい）

「ああ。そうだな。彼女は非常に目立つしな」

「アタシにはマダナラの巨人の血が流れている。故郷には数代に一人くらい、こういうデカい身体になるヤツがいるのさ」

　マダナラ……。

（古き時代の巨人の部族名ですね……こちらも、あまりデータがありません）

「サーマラの名が売れていないのは、彼女がそれを嫌がったからだな。その分、彼女の所属する「銀剣」はそこそこ名が通っているのだが。まあ、それも最近はダンジョンに入ったきり帰って来なかったからな」

（「銀剣」はリーダーの参級冒険者、疾風レイズアと、壊滅のクローンズという二人が有名な様です。というか、ほぼその二人の名前が知れ渡っていて……それ以外の仲間はあまり知られていません……。彼女は弐級……これは確かに……明らかに不自然ですね）

「一番最初に……クーリアの状態がおかしいと気がついたのはサーマラなのだ。私達は……当時、寝込んでしまったクーリアの病は、ポーションで治ると考えていた。そんな時、「クーリアの病は普通ではない気がする。なので秘薬を取ってくる」と言って、地獄の穴へ向かったのだ」

「丁度、秘薬エリクサーを求めるクエストが塩漬け状態で溜まりに溜まっていたからね。もしも、クーリアが治っていて使う必要が無かったとしても、引く手あまただ。損はしないからね」

　スゴいな……それが勘……ってヤツだろうか。あ。というか。

名前　サーマラ・フレーム

天職　武術師

階位　47

体力　94/97　魔力　06/12

　ぬ。またも未確認天職……。これは士が師になっているから、拳闘士の上級か？

（はい、その通りです。サーマラ様は多分、生まれついての上級天職持ちですね）

（なぜ？）

（通常システムであれば、初級天職を経由し、上級天職に転職します。複数条件がありますので……単純にレベルを上げれば良いわけでは無いのですが、それも条件の一つなのは既にお気付きかと思います）

（ああ。こないだのナナシのおかげで魔術士の上位が、魔術師ってのは判ったからな。なので、とりあえず、レベルを上げれば上位になるのかな？　と思ってたんだけど）

（はい、それが大事な要素なのは確かです。それだけでは無いのですが）

（まあ、その辺、言えないのは良いとして生まれついてってのは何故？）

（魔力が低すぎます。私が感知警告できなかったのは、彼女の実力に魔力が伴っていないからです）

　そういう事か。というか、そうなると、魔力を上げるためにも、初級天職を限界まで上げて、そこで転職した方がいい……ってことだろうな。ＴＶゲームでよくある感じか。

　とりあえず目安になりそうな……最高レベルは99か100なのか。