266:穿孔
と。そこまで水場……の改良を行った所で……。思いついてしまった。
いや、最初から風呂は用意しようと思っていたんだよね。水を生成し、それを温める魔道具の作成は、さほど難しくない。ただ、魔石の消費がなかなか大きい。省魔力化が面倒というか。なので、通常は俺が魔術でお湯を貯めて……と考えていたのだが。
まあ、まあ、これを見てもらえば判ると思う。
名前
種族 ハイエルフ
天職 魔術士
階位 65→71
体力 101 魔力 153
天職スキル:【平静】【魔術伍】【魔増】【復唱】【輪唱】
=隠蔽=========
天職
階位 37→38
体力 30 魔力 148
天職スキル:【迷宮】【結界】【鑑定】【倉庫】【収納】
【異界接続】【渡界資格】【言語理解】【次元扉】
習得スキル:
【気配】【剣術】【盾術】【受流】【反撃】【隠形】【加速】【棒術】【拳闘】【魔術】【手加減】【周辺視】
=隠蔽=========
うん。森下のね。両手剣の使いっぷりがもの凄く格好良くてね……ついね、まずは自分でも両手剣を……ちょっと……うん。ごめん。才能無かった。なので、あっさりと諦めて。
あんな感じで魔術が使えないかなぁ……と、クィーンアントさんとか、こないだ倒したことで調子に乗って、ドラゴンさんなんかをちょっとね。
「風刃」やその強化版、捻りを加えたらどうなるのか? とか、両手剣のあの圧倒的な重厚感を、魔術で再現できないかな? なんて感じでね。メイドズが寝込んでから、訓練してみたらね。レベルが。特にドラゴンさんをボスに設定したら、ボーナスがなかなか良くて……。
(そうかもしれませんけど。ドラゴンのいるフロアを周回して技を極めようなんて、普通じゃ無いですよ……)
と、シロに言われ。でも、楽しくてついつい繰り返してしまい。こんな結果に。で。問題というか、大切なのが。レベル70で習得した
【魔術伍】
地:穿孔
水:-
火:火壁
風:乱風
「穿孔」:大地に穴を穿つことに特化した魔術スキル。単純に大地操作系なんだけど……多分、これ、石槍とか火槍とか……そんな感じの術に付加して放つと、イロイロと貫いてくれたりする、はず。というか、貫いてた。ドラゴンを。ドラゴンさんを。ごめん。
「火壁」:火に壁を生み出して、魔物を寄せ付けない。火を警戒しない魔物はいないので、非常に有用だろう。「土壁」作って、その前に「火壁」とか完璧すぎる。
「乱風」:これまで俺が「風刃」の乱発で表現していた効果を、瞬間、簡単に実現してしまう術への追加効果スキルだ。
これね。【魔術伍】ね。ね?
はい。当然ですが、今回の要注目所は「穿孔」となります。ありがとうございます。パチパチパチパチ。
「穿孔」……を使えば、これまでの俺よりも遥かに効率良く、大地に穴を穿つことが可能になっている。魔力消費も異常に効率良い。さらに同時に「硬化」を使用すれば、パイプをブチ込んでいってるのとそう変わらない。
まあ、ぶっちゃけ、これ、落とし穴を簡単に作れる。魔力消費も低くなるし、発動速度も異様に早くなる。地属性の術だと「砂化」「硬化」なんかと似たような感じというか。
「大地操作」のバリエーションが増えたのは確実な様だ。
ということで……「砂化」「硬化」で湯船を創り出す。浅い部分と深い部分を作成する。一番浅い部分は寝湯可能な位に浅く。腰くらいまでの部分、胸くらいまでの部分。さらに、水風呂用の小さな湯船も創る。
お湯の出口になる大体の場所を決めたら、そこに穴を開ける。大体……直径10センチ程度でいいか。
「穿孔」その直後、隙間を空けずほぼ同時に「硬化」を行う。魔力をほぼ消費せずに……あっという間に1メートル程度の穴が開く。
「おお……」
何という人間ボーリングマシン……これ、向こう世界で温泉掘り会社を始めたらボロ儲けだな……。というか、どれくらい行けるんだろう……。
深度、深さはなんとなく……感覚で伝わってくる。現在約50メートル。ここまで約二分。「穿孔」「硬化」で掘り進めているとはいえ、地下水路、水源にはぶつからなかった様だ。
五分経過。現在約150メートル。固い部分があった気もするけど……正直大して魔力を消費してもいない。、
そのまま……掘り進めていく。30分程度経過。正直、使用し続けることで、効率化に成功している。熟練度も上がったのかな? 現在の深さは約500メートルを超えた。
確か、日本のような火山国だと1500メートル位穴を開けると、ほぼほぼ温泉を掘り当てるという。
この国、この大陸の地殻がどういう構成になっているのかも良く判っていないので、出ない可能性もあるが……出る可能性だってある。
北や南の山脈付近には温かいお湯が湧き出ている場所がある……という情報は入手済みだ。
ならば……こちらの世界では考えられないくらいの穴を掘れば……出るんじゃ無いかな? という強引な予測の元、続々と深く掘り下げていく。
ん? 約850メートル近辺まで来た時に……これまでとは大きく異なる感触が伝わって来た。
(これは……)
なんていうか……水か。それとも当り……か。
ゴボゴボボボ……
蛇口をひねると水道管から聞こえる感じの音が聞こえてくる。若干の砂……砂利と共に、水が湧き出てきた。
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