162:コンセプトレベル
おーけーおーけー。判ってる。うんうん、無いよね。うん。無い。アレは無い。声を上げて笑うなんてあり得ない。
なんていうか、アニメとかでよくある、どこかおかしくなっちゃってる敵司令官というか、そういうアレというか。厨二なんて目じゃないくらいぶっ飛んでるよね。うん。
良かった。ここには「俺」しかいなくて。
これをメイドズ辺りに見られてたり、知られたら、どういう目で見られるか分からない。
見事に何も無くなったダンジョン……広間。この部屋、こんなに広かったんだな……と思う。さっきまで蟻さんでギュウギュウだったのに。
クィーンアントはなんていうか、ベトベトヌトヌトとした体液を排出したりしてたんだけど、火を使ったせいか、それも全部燃えて消えてしまった。
なんていうか、残っているのは石造りのダンジョンの広間。焼け焦げた痕なんかが残っていればまだ、戦った実感があるのだろうけれど。
床に落ちている「蟻の甲殻」は無視だ。ソードアントと戦ってた時に無駄に集めて確保してある。大量在庫有りだ。なので、それ以外、「蟻の千角」っていう触角? を拾う。魔石も回収する。
クィーンアントが居た場所に堕ちていたのは「蟻の甲殻」とは違った形の「女王蟻の甲殻」「蟻蜜」。他の蟻よりもかなり大きい魔石も拾う。
「シロ、帰還」
……。
アレ? レベルが上がらなかった……のはいいとして。階層ボーナスが全く無かった。
っていうか、そういえば。階層ボーナスって、階層を創って承認されたときに表示されるっていうか、判るんだった! 忘れてたわ。
この「アリさん天国(仮)」フロア。同じ種族で固めているのだから、コンセプトはかなりレベルが高いと思うのだ。その部分だけは絶対ボーナスがもらえるハズだ。
つまりは、何か致命的な間違い、失敗をしているということになる。
よし、なら、広間をもう少し大きくして、入口周辺には敵が近づかないようにして。
それ以外も小広間と廊下を繋げて、単純だけどなんとなく迷宮ぽく仕上げる。
「よし、シロ、完成だ」
「はいなのよぅ」
「新階層を承認時に、階層構造ボーナスを確認しました。
階層ボーナス:迷路レベル1
階層ボーナス:部屋⇔通路レベル1
階層ボーナス:階層ボス配置
階層ボーナス:コンセプトレベル7」
おお! 発動した。ちゃんと思ってたとおり、コンセプトレベルが高い! これこれ! これよ!
つまり、最低でも迷路を構築していないと、ボーナス自体が発生しないのか。
勉強になった。というか、イロイロと忘れてるなー。細かい所。まあ良いか。変に気持ちがリセットされるだけで、時間は無限にあるのだ。試行錯誤しても誰にも怒られないし。
ということで、即乗り込めーだ。
さっきのように広間の前に直接跳ぶのではないから少々面倒くさいが……その辺はダッシュで駆け抜ける。迷宮仕様なだけで、敵は配置して無くていいのがありがたいな。
あっという間に、広間前だ……。
さっきよりも若干広くなっている。が。ギチギチに詰まっているのは大して変わらない。
ということで、順番に。
広間に一歩踏み込み、「火球」を次々と生み出していく。
イロイロと試しながらだった前回と違い、もう、出し惜しみせずに次々と自分の前方に「火球」を撃ち出す。
若干のタイムロスと共に、黒い影を残し、消滅していく蟻さん達。
最終的に一気に、壁際のクィーンアントまで仕留めてしまう。
うん。早い。なんていうか、初回の変な興奮はどこへやら。一度、階層ボーナスの件でミスったというのが恥ずかしかったからか、妙に冷静に、これでどうだ? これでどうだ……と確認作業が終わらない。
とりあえず、さっきと同じ、魔石と「蟻の千角」「女王蟻の甲殻」「蟻蜜」を入手して、帰還だ。
----レベルアップ----
「魔術士レベルアップなのよぅ。
スキル【魔術参】を習得しました。
名前
天職 魔術士
階位 40
体力 85 魔力 99
天職スキル:【平静】【魔術参】【魔増】【復唱】
=隠蔽=========
天職
階位 29
体力 26 魔力 114
天職スキル:【迷宮】【結界】【鑑定】【倉庫】【収納】
習得スキル:
【気配】【剣術】【盾術】【受流】【反撃】【隠形】【加速】【棒術】【拳闘】【手加減】
=隠蔽=========
おお! キタコレ! 何が嬉しいって、魔術士だけじゃなくて、メインの天職、
何が……って敵のレベル……クィーンアントがレベル30。
イイ感じだ!
というか、今後は現実世界での経験値ボーナスを目当てに、頻繁に戻ったり、こちらに来たりしないと、メインのレベルが上がらないのかな? とか思っていた。
面倒……なのは当然として、その度にやる気があれなことになるから厄介だな……なんて考えていたけど、高レベルの敵を配置して倒していけば、こちらのみで、何の問題も無くレベル上げができるということか。
……やべっ。それって、ちょっと考えれば当たり前のことな気がしてきた。DPで交換できる魔物はちゃんと用意されてるんだから、繰り返しばかりしてないで、適度に見直して、常に上を目指していかんと。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます