第2話 何が難しいのか?!

 なろうorカクヨムorその他小説投稿サイトの作者叩きの問題、Twitter上をしばし観察する限りでは少なくとも2つのテイストの議論がなされている模様。


①(概ね)無名の作者の作品を恣意的に取り上げYoutube等で作為的に貶めることの問題


② 商業デビューを目指す場合には①を有名になる前の通過儀式(?)として受け入れるべきかどうかという問題

 

 ①については、貶め系Youtuberは、うまくいったらちょっとしたインセンティブ収入を得て、ヤバくなったら逃げようと考えていることが事を難しくしている。手間もお金もかけずに、貶め系Youtuberに有効な抗議を行うことは容易ではない。

 また、多数の小説が投稿されることが前提の小説投稿サイトの運営が1の作品のために動くことも(主にコスト面の理由で)なさそうだ(今回、なろうで被害にあった『冤罪でクビになった元使用人、他国で無双する~実は「大賢者」なので……』の作者様がこの旨述べている)。


 ②については、幾人かの商業デビュー済作家さんの、貶め気にしてたら商業作家にはなれないよ的なアドバイスに対し、「上から目線」「立場の違いが分かってない」的な反発が見受けられる。こちらは①の場外乱闘と言って良いだろう。

 この点については、小説投稿サイトの投稿者の全てが商業デビューを目指しているわけではなく、また、実際に商業デビューを果たす人がごく一部である事実もあって、互いのツイートがスレ違っている気がする。投稿小説の多様性という見地からは、商業デビュー至上主義的な立ち位置ははそうしたい人たちだけのものであって欲しい。


 いずれにせよ、とある発言が名誉を著しく毀損しているかどうかを法的に本気で判断しようとすると相当なコストをかかる点が事態を難しくしていると思う。「☓☓ぶっ殺す」的な発言が個人☓☓を指してなされた場合、脅迫罪等の問題として警察が動いた実績もある(もちろん、まともに動かなかった事例も多々あるのだろうけど)。対して、「○○つまんなーい。それに△△で、まるで□□」といった類の発言の、○○作品が、△△や□□については、ちゃんと作品を読まなければ、それが悪意に基づくものなのか、さらには、名誉毀損等にあたりうるかを判断することは難しい。

 少なくとも、国民生活センターの相談員が扱うには荷が重い。


 他方で、「○○系はつまんなーい」的な発信を好む層は一定数いることは事実。なので、今後も貶め系Youtuberなりの問題は続発しうると考える


 ではどうしたらいいのか……というところについては、只今考え中なのだけれど、次話からいくつか仮説を上げてみたい(解決策を出すことはできないとは思っているけれども)。


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