第35話こっそりフッカルに戻る。
飲み過ぎた為1日置いてフッカルに戻る事に成った。
なので昼過ぎ俺は1人で町の外に出てシコった。
2回シコった。
コインがねーんだよ。
仕方無いだろう。
もう若い頃の猿程に達者でも無いが、2回シコった。
コイン1万枚で宿に戻りひたすら神様スロットを打ったよ。
5000枚使って神様コイン五千枚獲得。
これは前世なら上出来。
大事にストレージに直した。
翌日クルトンさん一行とソニーネ護衛馬車も一緒に、フッカルへの帰路に就いた。
「それにしても氷の魔石をボルフ商会が買い占めしてたとはね」
「それで雪山では強い魔物が出なかったんだ。おそらく彼奴等が狩ってたから」
俺の言葉にオリオネが付け加えた。
「お陰で私目は倍以上の氷の魔石を手に入れられました」
今度はクルトンさんが足した。
まあ万事めでたしめでたし。
「おい!、ブラックベア2頭出たぞ」
結構強くて橘の花パーティーで1頭やっと倒し、俺とソニーネが1頭倒した。
「このクマモドキ強いな」
「一級パーティーで1頭討伐する魔物ですから」
ソニーネの言葉に納得。
「怪我は無かったですか?」
「大丈夫だ。アルミの梅酒が有るからな」
駄菓子菓子じゃ無い。
だがしかし、雪山で強い魔物が出なかったのは勘違いだった。
こいつのせいか?。
クマモドキから1日経った街道で出会った魔物がとんでもない。
「えっ、スノードラゴン?」
「嘘・・・これ勝てねえぞ」
「国か世界を滅ぼすやつね、これ」
「ナンマイだナンマイだ」
「終わった」
「収納!」
「消えた」
「消えたよね」
「逃げた?」
「んな訳ねえ」
「何処へ行った?」
「何だったんだ?」
「取り敢えず生きてるし」
「アミルさん朝のあれは幻だったんですかね?」
野営の設営の最中にクルトンさんが声を掛けて来る。
「そっそうですね。幻かも知れませんね」
「アルミあんたなんか知ってるな」
マシュウさんには何かばれてるっぽいな。
流石リーダーだ。
「マシュウさん・・・実はあれ収納しました」
「・・・・・?。何を言ってる?」
「いや、だから。スノードラゴン収納しました」
「・・・意味がいまいちわからんのだが」
「えっと、言葉を変えますね。スノードラゴン送還しました。つまりあれ俺の召喚獣に成ってしまった様です」
「・・・すまん。しばらく考えさせてくれ」
そうしてマシュウさんは数分頭を抱えていたが、再び聞き返して来た。
「すまんがちょっと森の中で見せて貰えるか」
「いいですよ」
俺とマシュウさんは森の中へ行く。
「召喚」
ボワァ~。
「あ"・・・、スノードラゴン?」
「はい、そうですね」
『主よその者は誰じゃ?』
「喋った」
『無礼な我を誰だと思っておる』
「聖獣スノードラゴン」
『いちおう知っておるか』
「そうなの?」
『主は知らなんだか。末席では有るが神じゃぞ』
「ちょっと、何でその神様が俺の召喚獣に成るの?」
『主が収納したからじゃ』
「いやいや何で収納出来んの?」
『主はアルストフの眷属ではないか。それすなわち神じゃ。つまり我と同族じゃ。だから収納出来る』
「アルミは神なのか」
「いえ、アルストフの眷属には入ってるみたいなのですが、神なんておこがまし過ぎます」
『アルストフは十柱の中でも上位の神じゃ。眷属はすなわち末席の神に位置する』
「アルストフって邪神って聞いた事有るが」
『マシュウとか言ったか、それは間違いじゃ。アルストフは生と死を司る故、セックス・豊穣あらゆる生き物の創造神でも有るからの、誤解を生むが最上位の神なのじゃ。特に人には天罰を与える事がある為、邪神と勘違いされ易い』
「あっ・・・サキュバスとか言われるのはセックスをも司るからか」
『その通り、繁殖は生。時には死の神業なのじゃ』
「アルミ神殿今までの御無礼平にご容赦を」
「マシュウさんそんな冗談は止めて下さいね。それと今回の事内密に」
「あい分かったアルミ神よ」
「だ・か・ら・あ~」
フランに念話で聞くと、俺とフランそしてホワイティは末席の神にあたるらしい。
・・・・・マジか。
でも俺よりギザの方が強いよね。
取り敢えずマシュウさんには念を押して口止めしました。
色々渡したよ魔法付与コインとか、梅酒ポーションとか、パチ屋の便利品とか美味しい物を。
「アルミ~焼き芋頂戴」
ほいよと、オリオネに焼き芋を渡した。
マシュウさんにあげたのを一口食べてねだって来たのだ。
そこから皆に配ったけどね。
マシュウさんが申し訳無さそうに頭を下げてたよ。
まああれは旨いからね。
特に砂糖が高いこの世界では甘味は貴重だし。
でもなあ神様かあ~、実感ねえ。
フッカルの手前で俺はギザと二人で一行から少し離れて入門した。
憲兵さんに色々聞かれてるクルトンさんを横目に通り過ぎたよ。
なんか町の偉いさんもいたし。
取り敢えずクルトンさんから貰った依頼終了の書類をギルドに出して、宿を決めて閉じ籠った。
翌日クルトンさん一行に挨拶をしてこっそり町を出ました、はい。
にしても町はお祭り騒ぎ。
ボルフ商会一味がいかに悪行三昧だったが分かる。
次の町ソルタスでも同じだった。
フッカルから馬車で3日のこの町は綿や絹の織物の町だった。
綺麗な水流の川は支流で、大河の手前に位置する町。
川には反物が水面を彩る。
まるで大きな錦鯉が泳ぐ様だ。
フッカルより内陸で夏は暑く冬は寒いが、年を通じて温暖では有るらしい。
なので綿花はもちろん穀倉地帯でも有る。
薩摩芋や俺が広めた野菜も沢山あった。
「でもなあ十年前のあの年は酷かった。夏でもずっと涼しくて冬は麦が育たん程寒かった。餓死者が多く出たが、そんな中一番の作物の育たん土地ラフェスタに蓄えて有った甘薯とジャガに、多くの国民が救われた。餓死者は確かに多かったが、あの程度でよく済んだものじゃよ。ラフェスタがアルカセット国より苗を購入した時は、回りが笑ってたんだよね。麦も育たねえから芋しか食えない可哀想な土地だと。それが国を支えてくれたのだから、もうラフェスタを笑う者はおらん。けどそんな美味しい芋をあのボルフ商会は買い占めたんだよ。餓死者が出ているのに・・・」
八百屋の老人はそう話してくれた。
そして最後にこう言った。
「そんなボルフ男爵と腰巾着の特級傭兵2人を、アルカセットから来たアルミ・ヒルダってお方が倒したって言うから、もう国中がお祭り騒ぎじゃわい。」
「ボルフ商会はもう終わりだと聞いていますよ」
「ああ直ぐに憲兵隊が査察に入って、役員はこの町でもしょっぴかれたよ。万々歳じゃ!!。・・・あれ?、ヒルダってアルカセット国の地名じゃねっ・・・」
「いちおう子爵でヒルダ領ってとこ治めてました」
「なんだいあんたまるで、そのヒルダ様みたいな言い方してからに」
「「あはは」」
江戸時代でも飢饉対策に広められた甘薯が役に立って嬉しいな。
そんな事を思い町の広場のベンチで安納芋の焼き芋を食べていると、子供が此方を見て欲しそうにしていたので、手招きをして焼き芋をあげた。
・・・わらわらと10人近くの子供が集まってしまったけどね。
「ご主人様、この者達は孤児のようですね」
「ねえ君達は孤児院の子かな」
「うんそうだよ。あそこのほら、ケルン孤児院」
遠くに少し横に広がる大きめの平屋の建物がある。
余り整備されていなさそうだ。
「ちょっと院長さんにお話聞いても良いかな」
「大丈夫と思うよ。良い先生だから」
孤児院に行くと相当ボロだ。
中にお邪魔して院長先生に会ってみた。
「・・・それじゃあボルフ商会が穀物や芋を買い占めて、値段を吊り上げていたんですね。おまけに補助金も奴等が猫ババしてたと」
「思ってたより酷いですなご主人様・・・」
「お米って此方でも食べますか?」
「ええ食べますよ。数は少ないですが」
「今小麦よりお米の方を沢山持ってますので出しますね」
院長先生はアイテムボックスに驚いていた。
俺はお米百キロと、小麦粉十キロ薩摩芋十キロを、パチ屋スーパーで交換して出した。
「人数的にちょっと少ないですが、直ぐに小麦粉や芋の値段が下がると思いますし、補助金も復活するでしょうから、取り敢えずこれで」
「こんなに沢山良いのですか!」
「子供は国の宝と言いますから当然の支援ですよ大人として」
俺は今助けられる人は助ける事にしている。
もちろん助けられない人の方が多くて、偽善者かも知れないが、今出来るなら今するべきだ。
「これは健康促進の薬ですけど、お酒なので5倍に希釈して有ります。飲ませてあげて下さいね」
ついでに渡したのは梅酒ポーションを、11種のビタミン入り清涼飲料で割ったものだ。
この世界ビタミン不足の人が多いから予め作っておいた。
子供には甘くて美味しい薬と言うわけだ。
「あのせめてお名前を」
「アルミ・ヒルダって言います」
「有り難う御座いました」
「いえいえ」
俺は孤児院を後にして宿を取った。
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