第32話メンヒルでしか買えない素材とは。
予定どおり23日目にメンヒル到着。
「いやあ皆様有り難う御座います。予定ピッタリ到着しました。実に喜ばしい」
クルトンから護衛の皆にサービスとして酒代が出た。
宿屋の食堂で宴会が始まった。
「ありゃあ、クルトンから貰った酒代じゃ足りないな。もっと呑みたいしなあ」
「じゃあお酒提供しますね。店主持ち込みいけるかな?」
「もうしゃあ無いなあ。その代わり肴は注文してくれよ」
どぶろく・清酒・焼酎・ワイン・ウヰスキー・ブランデー・ビール・紹興酒・・・梅酒ポーション。
あれ?、何でパチ屋スーパーに梅酒ポーションがあるねん・・・。
まっ、えっか。
「何だこの甘い透明な酒」
ん・・・透明?。
げっ、キクスイ原酒かよ。
「こっちも馬鹿みたいに甘いな」
あ、ゴロッパチ。
これもキクスイ原酒。
「ウチのも甘いわね。呑みやすいし、ウチ好きかな」
・・・梅酒ポーション。
未だこの国では出回って無いのかな。
「おい、それ半分残しとけよ。ポーションだからな」
「えっええ、ポーションなのこれ」
「ああ、国一つ挟んだ所で開発されたポーションだな」
「アルミさん達ってもしかして他国の傭兵さんなの?」
「あはは、はい。ノーネットの向こうの国ですね」
「アルカセットからいらしたのですか」
「えっと、そこのヒルダ領から来ました」
俺・・・国の名前知らなかった、てか気にして無かった。
「梅酒ポーション発祥の地じゃ無いですか道理で」
「ヘルンは梅酒ポーションに詳しいですね」
「数年前に買い付けに行ったからねクルトンさんと」
そうなんだ、そこまでして。
「治癒ポーションって、軽い怪我程度なら効くの有るけど、本当にポーションって呼べるのは梅酒ポーションしか無いからね。あの治癒力は凄いです」
この日はその後お開きにして部屋に戻り爆睡した。
「あっ、アルミさんおはようございます」
翌朝食堂に降りるとクルトンさんがいた。
「お早いですね。クルトンさんってこちらの宿でしたっけ?」
「いえ、筋向かいの宿なんですけど、今日は護衛の皆様にお願いが出来まして。実は買い付けの品が足りないので採取に同行をお願いしようかと」
「採取に・・・?。危険を伴うのですか」
「はい、あの山の中腹よりは少し下なんですが、危険な魔物の魔石なものですから」
「はあ?、どんな魔物なんです」
「アイス・フライって虫の魔物です」
「あれえ、クルトンさんおはようございます。何か用ですか」
「あっヘルンアイス・フライの魔石採取に来てくれないか、依頼料は別に出すから」
「あー、揃いませんでしたか、いいっすよ」
「アルミさんもお願いします」
「はい、素材無いと私らも帰れませんからね。良いですよ」
「良かった40個は要るもんですから、助かります。明日の朝から山に入りますのでよろしくお願いいたします」
ヘルンに事前に麻痺毒の虫と聞いていたので、毒消し梅酒ポーションをパチ屋で交換しておいた。
何だろうこのパチ屋スーパーは?。
それに防寒具迄揃ってるし。
「アルミさんこの防寒スーツ最高ですね」
「本当、凄い」
「全然寒く無い」
「手袋も凄い」
「それは良かったです」
釣具の防寒具でスキーウエア並みだから、マイナス20度下でも作業出来る仕様なんだよね。
実際コイン魔法で温度見たらマイナス13度だった。
雪の上をピョンピョン綿毛が跳ねている。
それを網ですくって箱に入れて行くのだが、途中でホワイトウルフとか、スノーイーグルなんかが、雪の中から空から襲って来るのだ。
成る程これは護衛が必要だわな。
おまけにこの雪玉の虫、毛の中に刺も持っててヤバい。
手袋と防寒具で刺は防がれてポーションは結果的に要らなかった。
アイス・フライは箱ごとお湯に浸けて殺して魔石を取る。
お湯に浸けると毒も抜け、体は溶けて魔石と毛皮だけに成る。
刺針も溶けるらしい。
毛皮は繋ぎ合わせてマフラーにして売るとか。
ホワイトウルフとスノーイーグルの魔石も、アイス・フライ程では無いが冷却効果が有るらしいし、肉はスノーイーグルの方が旨いが、ホワイトウルフも食べられる。
毛皮はホワイトウルフが一番高かくて、スノーイーグルの羽毛は固すぎて使えないそうだ。
宿の食堂で。
「あの・・・その毒消し梅酒ポーション良かったら売って下さい」
オリオネが言って来たので安く売ってあげたら、万能薬の梅酒ポーションを皆から頼まれたので、五千円相当で売ってあげた。
実はこれ8リットル瓶なのでかなり安売りに成る。
オリオネの梅酒は万能薬のより毒消し特化に成るが、普通のポーションとしても働く。
オリオネはその場でお湯割りで呑んでた。
こいつ可愛い顔してただの飲み助だ。
ポーション関係ねぇーやんか。
夕飯を食堂で頂いてちょっとリッカの様子を見に行った。
慣れない代官やってるからね。
勿論面倒はギザが見るけど。
────────────────
カランの代官の役宅では夕飯も終わり、リッカは自分の部屋のソファーでくつろいでいた。
側では例の美人局の彼女ナサーレがベッドメイクをしている。
リッカはナサーレの少し短めのスカートから見える太股に釘付けだ。
実はこの時リッカは食事時に初めてパチ屋で交換したブランデーを飲んでいた。
そんなに飲酒の経験がなく日本なら高校二年生くらいなのでかなり酔っている。
そりゃ惚れている女の子の太股を酔っている若い男が見れば、ムクムクと沸き上がるものが有る。
気付けばリッカはナサーレの腰の括れを抱き、彼女のお尻にリッカの突起が当たる状態になっていた。
ナサーレは上半身がうつ伏せの状態でシーツを両手で握り締め目を閉じて、「あっ」と声をもらした。
女の大事な所にリッカのが当たっているのだが、当のリッカは気付いていない程酔っている。
だからナサーレは処女を捧げる覚悟でいた。
それ程彼女もリッカを好きに成っていた。
悶々としているリッカなのだが、かろうじて僅かな理性は残っていた。
彼女の上半身を抱え上げると、リッカは彼女を後ろから抱き締めた。
二人は立ったままだったが、しばらくしてリッカは意を決した。
「ナサーレ僕のお嫁さんになって欲しい」
後ろから抱き締められて耳元で囁かれたナサーレだが。
「わっ私は犯罪者です。しかも貴方様は貴族でいらっしゃいます。それは出来ません。ただの慰みものにでなら・・・」
「嫌だ、正妻に決まってる」
バーン!!。
「おう、リッ・・・すっすまん。悪かった。また後でな」
ドアを閉めつつある中でリッカが此方に駆けて来る。
ドアを閉める寸前でこじ開けられ。
「待って下さい、お父さん!」
「・・・・・」
「僕と彼女の結婚を認めて欲しいのです」
「おっ、おう」
その日直ぐ兄の元へ軽自動車で飛んだ。
勿論空を。
「わっ私は犯罪者です。リッカ様にご迷惑がかかります」
彼女は涙目で兄に言った。
「ナサーレ、前科が付くのは領主預かりの三年間保護観察以上の場合だ。お前達は代官預かりでしかも1年だ。よって犯罪者と世間では認めん。」
「父上それにリッカ、領主権限でリッカとナサーレを夫婦と認めます。」
ノートン・ヒルダ子爵当主は何かの書類を持って来るとポンッと当主の印を押した。
「はいこれでお前らは夫婦だ」
婚姻届だった。
「ハイハイ父上もリッカ夫婦も帰った帰った。もう眠たいんだよ俺は」
ノートンに見事にお開きにしてされてアルミもリッカ夫婦も、宿屋と役宅に戻った。
「はあはあはあ、ウッ、くっ」
激しく突くリッカ。
「あっあっ、あうっリッカ様!」
「「はあ、はあ、はあ」」
喘ぎ声が止まってお互い抱き締め合う二人。
リッカの子種がナサーレの子宮に注がれ、リッカとナサーレはその夜初めて結ばれた。
「私・・・なんて幸せ」
少女の吐息混じりの声が、息とともに窓から夜の空へ流れ、2ヶ月後アルミはお爺ちゃんに成った。
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日本の歌にも「15で姉やは嫁に行き」と有るから、時代背景としてはこの年齢の性交渉は当たり前の事だと思う。
でも若い内の妊娠は身体に負担をかけるので良くない。
規制と言うのは人身売買とか宗教とか、変に大人がフェミをかますからだ。
とある宗教でも元の教えはそのまま、「女性を守るように」だけなのだ。
指導者も人間で有って、自分の思い通りに女性を縛り付けたいだけの話し。
病気や人権を保護すれば性はちゃんとおおらかに成れる筈。
だって犬猫は人前で堂々と交尾してるじゃないかっ・・・てね。
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