第25話フランの恐ろしさ。
「アルミ様3日程休みを頂きたいのですが」
菜の花が咲く春頃にフランがそう言ってきた。
「いつも凄く働いて貰ってるから、1ヶ月くらい取っても良いぞ」
「それでは一週間程頂いてもよろしいでしょうか」
「他の者もかなり領地経営に慣れて来たし大丈夫だよもっと休んでも」
「いえ、一週間でお願いいたします」
「うん、分かった。よろしゅうお休み」
その一週間は何処で何をしていたかは聞く事も無く、1ヶ月くらい経ったある日国王より手紙を貰った。
海戦を仕掛けてきた国が大変な事に成ったらしいのだ。
手紙にはこう書いて有った。
──皇帝始め一族郎党が宮廷内で石像に成っていたと。──
・・・・・フランの仕業だな。
使用人等王族に関係無い者は眠っただけだが、王族は子供に至るまで石化していたそうだ。
改めてフランの恐ろしさと優秀さを知った。
子供まで石化させたのは、それを擁立させて王族を復活させない為。
全く容赦しない処は凄い。
俺だったら甘いから子供は見逃すだろうな。
先の憂いを排除するフランは凄い。
貴族どもは議会を開き一時的に貴族議会制の体制を取ったと書いてある。
内戦に迄には至らないけど、何時かは諸侯の戦国時代に成りそうだ。
子供が生まれた。
男の子だ。
丁度男女二人づつ。
その後かの国で内乱が勃発した。
貴族に対抗する反乱軍が貴族議会を襲撃して、ほとんどの貴族が死んだそうだ。
先の皇帝にかなり不満を持った民衆からレジスタンスが発生し、各町に地下組織が誕生していたのを、フランが纏めあげたと本人から聞いた。
ここで希代の召喚獣と神から言われた事に納得した。
おそらくフランだけでも国を滅ぼせるが、後処理を民衆に任す手腕は神様クラスだろう。
よくもまあ俺なんかの召喚獣に成ってくれたものだ。
アルフトス様に感謝だな。
それから3ヶ月妻リィファの体調もとっくに戻っていたので・・・。
「あっああ~」
「はあはあ・・・リィファリィファ」
「ああ、あなたもっともっと突いて」
「はっはっはっ」
ちくしょう、俺も歳いったな。
必死で妻の上でピストン運動を繰り返しながらそう思っていた。
突然妻を抱き締める。
リィファは俺の腰に足を絡めて優しく包む様に抱いてくれた。
尿道を通って何かがリィファの下腹部に押し出された。
「温かいのが来たわ。まだまだ産むからね」
「ありがとう。でも俺的にはもういいかな」
「あら、妾でもとる気」
「違うよ避妊具を使って子供がこれ以上出来ない様にするんだ」
リィファと身体を離した俺は、パチ屋スーパーからコンドームを交換して、妻に見せた。
「これをはめて行為をするんだ」
「見せて」
妻はそれを持って俺のモノにはめていた。
触られた俺のアレは元気に成ってしまい、妻の腰を持ち上げ後ろから挿入した。
「あっ!」
パンパンパン。
「あっあっあっ、あああ~」
「パパパパン」
「アウッ、ウッ、アッアッ」
そして抜いたモノのゴムの先には乳白色の液体が詰まっている。
「こうやって使うんだ・・・」
「そうだから子種が女の人の身体に入らない」
「もう一回しよ、それ無しで」
「リィファ」
「だってもうそんなに産めないよ。今32だよ私。だからもう一人欲しいの」
「リィファ~」
俺はリィファの上に乗り必死で3回目の行為に及んだ。
まあ一時間は掛かったけどね。
殆ど出なかった。
ピクピク成るだけだった。
それからは一週間に1度か2度のペースで子作りをした。
子供達には平和な国と領地で有りたいと、妻と性行為に勤しむ俺だったりする。
腹上石化なんかに成ったら笑い者だよね。
かの宮殿にはそんな石像も有ると聞いたので。
フランそこは終わってからに、石化してやって欲しかったよ。
死して恥辱は止めてあげて。
因みに俺は密かに森で魔物相手に、コイン魔法で石化に挑んだが無理だった。
生き物が石に成るイメージが出来ない。
────────────────
五人目が出来て8年が過ぎた。
俺は40歳に成った。
ノートン(長男)に子爵位を譲って今は色々旅をしている。
旅と言っても転移で直ぐに戻れるので楽なモノだ。
イバン(ワイバーン)と黒太郎(黒土蜘蛛)そしてギザパン(ギザミパンサー)の3召喚獣がいるので、まあ無敵と言っても過言では無い。
特に虹色の横縞毛色のギザパンがホワイティと同格のランクに成った。
ホワイティはフラン並みに領地の経営に尽力しているから、ギザパンも知力は相当なモノだ。
念話でしか話が出来なかったが、コイン魔法でヒト型に変えたら直接喋れた。
なので旅の同行者として一緒に居る。
俺より少し歳上の執事って感じの爺さんだ。
ハミルトン領を東に進むと海に出る。
それを海岸線沿いに南下すれば、別の伯爵領地を通り国境に行き着く。
そして国境を過ぎれば軍船ごと町を焼き付くした港に出る。
「流石にもう焼け野原の面影は無いですね」
「うん、でも慰霊碑があるんだよね」
「はい、中心の小高い丘に有るらしいです」
「あそこかな?」
「あ~何かちょこんと見えますね」
俺達は慰霊碑に参拝して、社殿に御供えと寄付をした。
気持ちでしか無いが女神様にもお詫びを入れた。
すると十柱有る神像の内一つが光出した。
周りの人がざわめき立つ。
『アルミよ景品交換でケーキを』
「御供えですか」
『うむ、少し甘味が欲しくてのう』
俺はパチ屋スーパーで美味しそうなケーキを交換して、アルストフ様に御供えした。
「あっ、消えた」
「消えましたね」
多くの人のざわめく中俺達は社殿を後にした。
「さあ元王都の石像宮殿へ行こうか」
「そこでもご供養を?」
「まあな、死ねば文句も抵抗も出来ないから、皆平等なんだよ」
「そう言うものですか」
「そう言うもんさ」
この国は面積はハミルトン領の3倍程度だが細長い。
だから元王都も海岸沿いに有る。
それはかなり大きな港町だった。
流石元王都。
宮殿の前で俺達はお祈りをして中に入った。
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