第20話一年間の領主教育。

「はあ~まさかこの私が一年間も付き合わされるとか、無いわあ~本当無いわあ~」

「監察官殿この一年間で喋り方が崩れましたね」

「誰の責任じゃあー!、おどれのせいじゃろがあー」

「おほん。監察官様お言葉が」

「これはフラン殿・・・いやこやつがな・・・あっ、いやアルミ殿がな・・・覚えが悪いのだよ~」

「すいません。申し訳ない」

「ごほん。監察官としては最長記録でしょうか。でも漸くこれで王都に帰れます・・・」

「・・・監察官殿何か?」

「いや、色々と便利な物をアルミ殿は出されまして・・・その、美味しい食べ物も多くて。帰る前に少しばかり融通して頂けないかと」


「アイテム鞄迄頂いてよろしいのかな」

「だってあの荷物は馬車に積めないでしょうから」

「ははは、確かに少し欲張り過ぎました」

念のためフランを護衛につけた。

8日後フランは転移で戻って来た。

「はあ~行きも転移したかったな」

「ご苦労様。フラン俺鉱山村へ行きたいのだけどいいか」

「奥方と子供2人も行くのか?」

「そうしたいけど、俺の魔力量では無理だから一人で行くよ」

フランの助けをやんわりと断った言い方だが、フランは理解してくれた様だ。

「そうか、2日や3日私に任せて、ゆるりとマルクと休暇を楽しめ」

「有り難うそれじゃ転移」



「マルクお客さんだよ」

「はーい。あっアルミ!」

「よっ、元気かマルク」

「うん、アルミこそ元気」

「ああ、慣れない勉強で少し肩が凝ったがな。3日程休暇を貰ったので元気に成った」

「マルク今日と明日とお休みにしな一年ぶりだろ」

「親方有り難う御座います」

「申し訳有りません親方」

「領都からわざわざ来んさったんじゃ、2日やそこら休んでもバチは当たらん」


マルクとノウスの町を楽しんだり、復活した学園を訪問したり、おばさんや町の人に有ったりで、あっという間に帰る日に成った。

マルクを鍛冶の親方ん家迄送って、人目の無い所で転移した。


「ベロベロバア」

「きゃっ・きゃ」

「お・と、おか・えり」

「ただいまヘンリーにノートン」

「あなたお帰りなさい」

「悪いなマルクの所へ連れてってやれ無くて」

「この子達がもう少し大きく成ったら行くわよ」

「義兄さん達にも有って来たよ。元気でやってたから心配無いよ。君によろしくってさ」


「フランただいま」

「アルミ今日は家族とゆっくりなさい。公務は明日からで良くてよ」

有り難うと言って終日家族と久々に団欒した。


主要な街道の整備は大方片付いた。

細い道や農道は各町の管轄だけど、助けが必要ならば俺かフランか出向いて普請した。

ここ5年で随分農作物全般の収穫量は上がった。

後は治水だが、これは年数を要す。

堤に溜め池それに用水路の施設。

水門の設置に川のかけ変え等々金と年数は半端ない。

エミル様の領地に比べて我が領地は遅れていたから結構大変だ。

平行して観光地の整備や商工業等の発展それに、各地城壁の補修ときりがない。

北の山間の村々の開拓有るしな。

「山間の村々にはアルミと私で当たりましょう」

「良いのか?」

「土工の派遣も金銭面と折り合いませんし、行き手が少ないのでそれで良いかと」

「作業員はあんな田舎へは行きたく無いから、余計人手が足りないわけだ」

「仕方無いでしょう。町の方が仕事が多いですしね」

「うむ、危険箇所も多いしその方が俺も助かる。早いしな」

「本当は私も魔法でちゃっちゃと・・・失礼」


山間部の村々の道普請の時、初めて魔物退治をした。

その時所謂冒険者をしている傭兵達に、魔物の売れる部分をあげて喜ばれたり、夜営を共にしてご飯を分けたりした。

山間部の街道は道か何か分からないトレッキングの様で、道標を土魔法で作ったのを覚えている。

夜間には通れず、休憩所の設置場所にも困る道で、休憩所1ヶ所毎に寝れる所を作った。

これは剛力や商人と冒険者の類いに喜ばれた。

それだけに1年半を要した。

ここまでに七年。

先はまだまだ長い。

領地経営と言うのは大変だ。

貴族って威張ってる感じが有ったが、大変な気苦労も背負い込んでいるのだな。

異世界ゆっくりライフなんて嘘。

何事も精進が大事。

俺のチートなパチスロが付属と共に本当に有難い。


女神の悪戯が功を奏した。

感謝で有る。

後は平和で有る事を祈るばかりだ。


まあそう成ったらこの物語が終わるので、まだまだそう成らない訳だけんどもねえ。


・・・最近シコってねえー。




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