第19話夫婦の寝室。

「大きいね」

「大きいわね」

「これ回転しないよね」

「何それ?」

大き過ぎて回転ベッドに見えて来た。

もちろんラブホの回転ベッドがこの世界の片隅に有る訳が無い。

「すずさん」

「いや私リィファだから、誰それ何処の女よ」

「あっいや、物語の中の人で、現実とは違うので」

「何現実の私には興味が無いと?」

アアアアー。


「はあはあ」

「罰としてもう一回」

「流石にもう出ないよ。空っぽだよ。精嚢もキャンタマも」

3回もやるとビクビクと痙攣の様に成るだけで、尿道を何も通過しないのが分かる。

最初だけ何か通ったけど、その後のビクビクはスカスカだ。

なのに痙攣の様に身体はびくんと反応する。

生命まで絞り取る様に身体を引き締める痙攣が何度か続き力が抜ける。

駄目だ空っぽ。

「駄目!、他の女の名前を言った罰」

「もう、まさに溜まんないや」

凄く愛撫を繰り返し漸く勃起したので、挿入して腰を振るも中々内転から放たれるあの感じが来ない。

二時間腰を振って漸くオシッコをギリギリ迄我慢したけど、内転筋が力を無くして放たれた感触を味わった。

が、ビクビク成るだけでスカスカのスコスコだ。

痙攣の感触だけだ。

一滴も無い。

「リィファさんもう勘弁」

気が付くと二人とも寝ていた。


暫くしなくていいや。


「どうしたアルミ疲れているぞ。サキュバスに精気を吸われたかの様だな」

「フラン・・・。領地の道の普請の見積もりは」

「ああこんな処だな」

「ちと厳しいか。俺とお前の魔法で補うとするかな」

「どうしても必要箇所はな。持ち越せるなら翌年の予算でやった方が領民の為だし、領地の金が回る」

「それが経済なのか?」

「そうだ。魔法でやり過ぎると職人の糧を奪うから駄目だ」

「成る程。なら少し広場を街道脇に整地するのは問題無いか」

「それは元々普請に無いので大丈夫」

「仮説の露店施設や、休憩所を作っても?」

「まあそれは主の趣味だから問題無い」


俺は書類仕事の気晴らしに街道普請の傍ら、作業員の休憩場所と称して広場や休憩と露店様の建物を、土魔法を使って作っている。

そして帰りに人気の無い所でシコる。

こっコインが欲しいからね。

嫁さんに満足してないとか違うからね。

エミル様の真似だね、5キロ区間の休憩所は。

魔物や盗賊から旅人を守るのにも、病気の人や疲れた人の為にも必要だから。

そんな事をしているとコインが減っていくから仕方無いよ。

女神様の悪戯で生まれたパチスロコインの生成法。

そのおかしなパチスロを収納するストレージが、意図しない事に大活躍してる。



パチスロ依存症でボロクズみたいに死んだ俺が、此方の世界ではそれに助けられてる。

今はストレージ内の景品交換所(パチ屋スーパー)と召喚獣の収納が主な役割だけどね。

そろそろスロットル回してコイン増やさないといけないなあ。

シコって出すコインとスロットル機から出るコインは別物なんだよね。

シコって出すコインは魔法用で、スロットル機からのは景品交換用。

シコったコインでは景品交換出来ない仕組みに成ってて、コインの色も材質も違う。


作った休憩所で昼飯を食べていると作業者から声をかけられた。

「兄ちゃん大した魔法使いだねえ。この休憩所で儂等も助かっとる。一寸隣で一服させて貰ってええか」

「どうぞどうぞ」

「所々その魔法で普請の手伝いをしとるけど、街道自体はせんのか」

「そこまで魔力量は無いので、難しい箇所とかこの休憩所だけですね」

「成る程のう。まあ儂等の仕事が無くなったら困るけえな」

「そう丁度良い処で釣り合ってます」

「あははそうだのう。処でそれ旨そうじゃな」

「もう1つ有りますから食べます」

「ええのか兄ちゃんの飯じゃろ」

「俺もう帰るんで余ってますから」

「そうか悪いな頂くわ」

食べ終わった俺は詠唱する

「それじゃ転移」

「・・・・・!?」

おじさんびっくらこいたかな?。

領都の自室に戻った俺はおじさんの驚いている顔を思い浮かべた。


「フラン一寸行って来るね」

「昼には戻って下さいよ」

「うん、分かってる」


よいしょっと、ここはこんなものかな。

この前の休憩所作りの続きだ。

5キロ先へ転移する。

「おお、かなり道普請進んでるなあ」

「やあ兄ちゃんこの前はびっくりしたぞ。転移魔法って大魔法使い並みじゃないか」

「あっどうもおじさん」

「ここに休憩所作るんならすまんが、少しひろめでベッド多めで頼む。何しろ町からも近隣の村からも遠くてな。野宿する人が多い場所だもんで」

「成る程。それじゃ少し広めに整地しますね」

木を根っこからストレージへ、ストレージ内で乾燥皮剥き裁断して、整地した端っこに置く。

「木の皮や端材と枝等は薪に使って下さいね」

振り返って言うとおじさんは顎が外れたかの様にあんぐりだ。

回りの作業者からも「すげえー」の嵐だった。

土魔法で大きめの休憩所を三棟作り、抜いた根っこが何個か有ったので、椅子と机を作ったら辺りを少し広めに整地して、もう昼近くなったので、おじさんや作業者さんにカツ丼を配って転移した。


領主邸の自室に戻ったらカツ丼食べてデスクワークだよ。

監察官から税率が高過ぎると指摘されたので、他領と同じ3割にして来年の財政資産をフランに見積もって貰っている。

それによると当初より厳しい財政と判断された。

「麦の収穫面積と収穫量は?」

「・・・う~ん」

「その他の栽培地と栽培法と収穫量を」

「ふ~ん」

他の商業的収入(観光や工業製品に鉱山からの産出品等々)なんかにも目を通した。

「フランはどう思う?」

「小麦の収穫量が他領より少ないですね。肥を入れるか転作した方が良いですね。全体的に農作物は肥を入れないと土地が痩せてます。観光地は補助金を幾らか出しててこ入れでしょうか。工業や鉱山は技術者不足ですね」

「凄いねそこまで分かるなんて」

「主もおつむはダメダメですが、何故今の知識が分かるのでしょうか」

「・・・お前ねえ、当たってるけど・・・」

転生者等は言えなくて口ごもる。

人の糞尿を、大きな穴で寝かして少し臭気を飛ばそう。

火魔法で加熱して虫や菌を殺したら、枯れて腐りかけの葉や土と混ぜようか。

それを寝かしてボロボロにしたら田畑に撒こう。

後は灰と貝類の殻を粉にしたやつとかも撒こう。

それと同時に牛糞何かも寝かせて水分が少し飛んだら、同じ様に土や葉と混ぜて寝かそう。

多分そんな感じで・・・いける・・・かなあ。

俺の脳内を読んだフランが「それでよろしいでしょう」なんて言う。



農地の現場に行くと糞尿を直に撒いている。

駄目だよアンモニアが強すぎて枯れちゃうよ。

寄生虫や悪い菌もあるし。

石灰系は無さそうだし。

「ここは水だけは良いですね。硬水で必要なミネラルが有りますから」

フランって何者だ?。

今ミネラルって言ったよな・・・。



そう言えば種がシレーヌ(サイレーン)だった様な。

地球のヨーロッパの妖怪だし。

妖怪の転移者とか?。

「失礼ね時たま最大限の魔力消費で異世界へ行ったりしてたのよ。あんまりやり過ぎると私でも、死ぬ事が有るらしいからしないけど」

こいつとんでもねえ。

おそらく俺なんかよりツエエ。

「私アルストフと喧嘩して負けたのよ」

「そりゃあ相手は神様だかんな」

「だからあんたの召喚獣やってんだからね」

「へいへいそりゃどうも」

「でもあんた面白いわね。惚れ・・・無いけど。くっくく」

「おっ、俺にはリィファがいるもん」

「あの人は良い人よ大事にしなさい」

「うん。俺もそう思う」

振った彼氏はザマアだろ。



今夜あのベッドでリィファに久々子種を注ぎたいな。

「もう、人は直ぐに発情する」

「・・・失礼な。当たってるけど」

あっ、勃起(たって)来た。

「止めろ!」

こいつ今大事な息子を叩こうとしやがったな。

「出来なく成ったらどうする」

「大丈夫よ、一姫二太郎って言うのかしら、昨日リィファさん着床したわね。男の子みたい」

「へっ・・・」

なんて召喚獣だこいつ、パねえ。


あっ、今晩からまた出来ねえやん。

「ひとりエッチ。くっくく」

・・・・・。






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