第6話とらわれるのはよくない②。
(とらわれるのはよくない)の本当の処を書くのを忘れてしまう大失態をやらかしたので②です。www
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マルクの母親を助けられなかったのは俺の魔力量が少ないからだ。
所謂他の転生モノみたいに魔力量は分からない。
俺の治癒魔法は重傷者を治せないのなら、ポーションはどうだろう?。
旅をした処で判断するとポーションは無い。
薬は勿論有るけど、魔力を込めたポーションは存在しない様だ。
何かしら考えよう。
しかし、先ずはマルクを学園に入れる事だ。
運搬の仕事の翌日マルクを連れて、身分を問わないと言う学園に行ってみた。
これがオールカマーって学園か。
割りと大きいな。
つい先頃転居して来た者でもすんなりと入れてくれた。
2ヶ月後が丁度新学期と成るので、そこから入学して欲しいと言われた。
服装は町の学園指定の服屋で制服が買えるらしい。
でも貧乏な人もいるので強制はされていない。
そう言えば学園内は割りと服装がバラバラだったな。
指定の服屋に行って、一応制服は買っておいたが・・・そこには、学園に必要な備品も売られていた。
それらも纏めて買った。
筆記具やノートは俺のコインを使って魔法でそっくりなモノを出した。
実ははるかに店のより良質だ。
教科書は流石に知らないから出せないが、古本も有るのは金持ちばかりでは無いからと言う話だ。
新品を買おうとしたらマルクに止められて、古本を買う様に促された。
その他普段着と靴も買っておいた。
これでよしと。
次の日俺は一つのコインで梅酒を浸ける瓶を出した。
あっ、梅酒ごと出してもうたわ。
まっ、ええか。
その日からその梅酒に俺は、コインを一つずつ治癒魔法を込め投入して行った。
コインは魔法を込めると消えて行くから梅酒の中には残らない。
七日後俺はマルクとゴーレムの荷馬車で鉱山の村へ向かっていた。
すると何やら街道に3人のしゃがんでいる人影が有る。
「あれ?、3兄妹じゃないか。どうしたんだ」
「あっ、あの時の。丁度良かった村へ乗せてってくんない」
美人のお姉さんが言った。
「良いけどどうしたの?」
「弟が魔物討伐時に怪我しちゃって、歩けなくて」
「そりゃ大変だ。さっ、乗せて乗せて」
「ヨイショっと。すまんな兄ちゃん」
一番年上の長男にお礼を言われ、3人を乗せ村へ馬車を走らせた。
御者台から後ろを見ると一番したの弟が足に怪我をしている。
あれは数日歩けそうも無い。
俺は一旦馬車を止める。
小分けしておいた梅酒の瓶を持って怪我人に寄った。
「ちょっと飲んでみて」
「それは何?」
「お酒なんだけど、解毒や沈痛鎮静の効果が有るから」
・・・・・グビッ。
「どうなか?」
「・・・・美味しい」
「あっ、いやそっちじゃ無くて」
「あれ?足の痛みが引いた」
思ったより即効性が有るのに俺はびっくりする。
「ちょっとしみるけど我慢してね」
お酒を彼の傷口に垂らした。
「おわっ、くっ、うくく・・・」
「ごめんね。殺菌も有るし、傷口も早く治るから」
「ん?・・・」
「どうし・・・・た・・・?」
傷口が塞がって行くのにその場の5人が驚いてしまう。
ガラガラ・・・・・・。
静かに動き出した馬車の中で、口火を切ったのは美人のお姉さん。
「さっきの何か聞いてもいい」
「あー、あれね。お酒は梅酒って言うお酒。青いプラムを焼酎と砂糖で浸けたやつね」
「・・・そうじゃ無くて」
「う~ん、お酒の中に魔力を込めたモノを何回か入れてみたんだよね」
「魔力?」
「そう治癒魔法のね。あっ、害の無いやつを入れてるよ」
「それって口に入れられるモノに魔法を掛けたって事?」
「そう。例えば果汁に治癒魔法掛けて入れるとかね」
「・・・人に直接掛ける治癒魔法を飲み物や食い物に?」
「そう」
「考えもしなかったわ」
「とっとらわれるのは良く無いよ。物事何でもね」
「そっ、そうね。人体に魔力が入るなら、他の物にも入るわよね。とらわれ過ぎてたわね。まさかお酒に入るとは思わなかったけど」
言えねえー、俺の精液が原料だなんて言えねえー。
でもこのお姉さんに飲ませてみたい。
・・・変態か俺は。
もしかしたらマルクの母親ぐらいの重傷者でも助けられるかな?。
そっとマルクの頭を撫でて、「お母さんの時にあれが出来てたらな。すまんな」謝っておいた。
「有り難う。ずっと気にして考えててくれて」
俺は手で涙を拭ってゴーレム馬車を走らせた。
ああお姉さんに1口だけでもあの梅酒を飲ませたい。
台無しや、本当今までの話が台無しや。
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海外では主にブランデーで梅酒は浸けられている様ですね。
ウォッカは癖の有るものから無いものまでまちまちだからでしょうか。
手に入り難いのは青梅と氷砂糖らしいです。
氷砂糖は徐々に溶けて行くのに必要なんですが、意外と日本みたいに売ってはいない様ですね。
青梅はね、普通に毒に成りますもんね。
CHOYAさんも海外に出してはいるようですが、買える所が限られているとか。
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