第51話 政略結婚 後編



「コウ!旅の目的忘れたのかよ!」


「そうよ!平和条約結ぶんでしょ!」


僕らは目的があって旅をしている。

寄り道してる場合じゃないことはわかってる。


「そうですよね、、、。」


旅の仲間たちに反対されては断るしかなかった。


「コウがしたいようにしろ。

我はそれに従う。」


「え?」


一番興味無さそうな魔王様が賛成派だった。


「またそうやってコウの言うことを聞いて甘やかすのかよ!」


ジェイクは納得出来ないようだ。


「魔王様がそう言うなら、コウの言う通りにしましょう。」


「はあ!!??」


リーアはすぐに寝返った。


「ライルも私の意見に反対しないはずよ。

アンタ一人で進むの?」


「あーーー!クッソ!

わかったよ!チャチャっと終わらせて魔王様の妹探すからな!」


無理矢理だが、ジェイクも賛成してくれた。


「ありがとうございます!!!」


椅子から立ち上がり、みんなに頭を下げる。


「私からも礼を言う。

ありがとう。」


ルナも立ち上がり、共にお礼を言った。


「まずは腹ごしらえしようぜ!」


「そうね!お腹空いたわ!」


食事が始まったが、僕は何故かモヤモヤしていた。

何かを忘れているような、、、。


「あれ?ライルさんは?」


「「「あっ、、、。」」」






「酷い!!!

リーアの救出にも参加できず、食事も抜きになるところだったなんて!!!」


ライルが泣きながら僕らへの怒りをあらわにしていた。


「いやー、悪い悪い!」


「アンタが寝すぎなのよ!」


リーアにはライルを慰めるつもりは無いようだった。


「ライルさんお疲れだったんですよ!ね?」


リーアを思うあまり、心労が大きかったのだろう。


「いや、我が魔法を解かなかった。」


「はい?」


魔王様の言葉に驚きを隠せない。


「コイツが起きたら面倒だと思い、そのままにした。

忘れていた。」


「忘れていた!!??

コウさんが思い出してくれなかったら、僕ずっと寝てたんですか!!??」


地面に突っ伏して泣くライルを慰めるのに1時間を要した。

最終的には魔王様が「うるさい、燃やすぞ。」と言って無理矢理泣き止ませた。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る