第25話 レベルアップ 前編
「うっわ!!!!!」
振り向くとそこには宙に浮いた自分が居た。
一瞬パニックになるが、すぐに正体に気づく。
「何しに来たんだよ!!!」
「お前なあ〜、俺一応神様な?
そんな口聞いてると、バチ当てるぞ。」
「すでに当たってるようなもんなんだよ!!!」
誰のせいでこんな世界で、こんな状況に置かれてると思ってんだこの神は。
「コウ、どうした。」
「一人で何喋ってんだ?」
魔王様とジェイクが心配そうな顔でこちらを見ている。
、、、一人???
「あ!言い忘れてたけど俺の姿はお前にしか見えてねーよ?」
神の言葉に顔が青くなっていくのを感じる。
「つまり、、、今僕は、、、。」
「でっけぇ独り言言ってるやばい奴ってこと!!!」
神はお腹を抱えて笑っていた。
「そういう大事なことは早く言え!!!」
僕は伝家の宝刀ちょっとお腹がー!を使って、トイレに行く振りをして地獄のような空気から抜け出すことに成功した。
中庭のような場所で神と二人きりになった。
「悪りぃ!悪りぃ!」
全然悪いと思ってなさそうな顔で謝られても、怒りが増すだけなのだと知った。
「で、何しに来たんだよ。」
研修(と言う名のからかい)が終わってから一度も神の姿は見なかった。
僕が大変な思いをしていたあの時も、あの時も、あの時も。
「レベルアップおめでとう!!!」
神がどこからか取り出したクラッカーを鳴らし、小さなラッパを吹き出した。
お祝いムードがすごい。
「レベルアップ?」
キョトンとする僕を見て、神はため息を吐いた。
「長い距離走ったらお前も、タクシーもレベルアップするってタクシーの説明の時に読んだろ?
忘れたのか?」
「確かに、、、そんなことが書いてあったかも?」
突然のことだったので、あまり覚えていなかった。
「レベルアップすると何か良いことあるの?」
レベルアップしたらどうなるか、までは書いてなかったはずだ。
「よくぞ聞いてくれました!!!」
神が渾身のドヤ顔を決めていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます