第8話 二人目の乗客 中編



「何を言ってるんだ!

魔王の城までなんて危険すぎるだろ!」


「そうよ!

私たちはいいけどコウは一般人なのよ!」


「いや、そういうのって自分の足で行くから意味があるってやつじゃないんですか?」


3人が一斉にジェイクに話しかける。


「大丈夫なんだよ!

タクシーって空飛べるし、透明になれんの!

魔王城まで一直線だぜ!」


ジェイクが大興奮で話している。

立ち上がったジェイクは180センチくらいはありそうな高身長だった。


「お前は何を言ってるんだ!!??

そんな乗り物が存在するわけないだろう?

とうとう取り返しのつかないくらい頭が壊れたのか!!??」


「ジェイク本当に大丈夫?

疲れてるんじゃない?」


本当のことを言っているのに、ジェイクは頭のおかしい人扱いを受けている。


「本当だって!

な?コウ?

こいつらにもタクシー見せてやってくれよ〜!」




興奮気味のジェイク、全然信じてないライルとリーアを連れて林に戻ってきた。

透明になってしまうので、どこに停めたのか覚えてないと忘れてしまいそうだ。


鍵についているボタンを押すとディープ・インパクト号が姿を表す。

鍵も開ける。


「なんだこれは?」


「こんな乗り物見たことないわ、、、。」


二人は驚いてディープ・インパクト号を中心にぐるぐると周り、観察している。


「早く乗ろうぜ〜!!!」


ジェイクがそう言うので僕は運転席へと乗り込み、後部座席と助手席のドアを開けた。


「勝手に開いたわ!」


「どういう魔法が使われているんだ!!?」


二人が驚いている中、ジェイクは助手席へと乗車した。


「ライル!リーア!早く乗れよ!!!」


ジェイクに促され、恐る恐る二人がディープ・インパクト号へと乗り込む。


「あのー、目的地までお送りしますが、料金は発生します。大丈夫ですか?」


こちらも仕事だ。

好意で送ると思ってもらっては困る。


「金取るのかよ!!!!

まあ、そうだよな〜。

無料でこんなことしないよな〜!!!」


ジェイクが笑っている。


「お金なら多めに持っていますので、大丈夫ですよ。

お支払い致します。」


ライルがお金を管理しているらしい。


「では、目的地の魔王城まで出発致します。」


僕はナビの目的地を魔王城へ設定し、空を飛ぶモードに変更、透明になる機能も忘れずに使った。


「行くぞー!!!!」


ジェイクの雄叫びが車内に響き渡った。



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