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84.実力はまだ秘密。
足元から棘のように
これは直に見つかる。
別方向へ跳んで逃げていたコヨーテを口笛で呼び寄せた。コヨーテは耳を立てて駆け寄ると、
「床下の荷物を持って来てくれ」
コヨーテは私を見上げると、影に潜り込んで消える。そうしている間に辺りの床からも
移動しなければならないがどこがいい。避難が終えた街はもう、どこへ行っても魔術師だらけだ。
「腕返せ」
裁がぶっきらぼうに言ったその瞬間、辺り全ての夾竹桃が独りでに捻じ折れる。飛び散る赤い毒液が血のように部屋を染め上げた。裁は何が起きたのか分からず絶句する私から自身の左腕を奪い取ると、余裕
「有り得へん速度で成長したり空飛んだり、形は生物でも魔術である以上、それは本物やない作り物やろ」
……
裁が〝館〟ではオーク製のキャビネットを無視し、モルタルや脚立しか武器として用いなかったように生物には使えない
「えらい広範囲の魔術っちゅうんは分かったわ。
千歳……。って、妹のチトセか。
「蜘蛛ォ!」
その正体を、やっと掴んだ私は飛び上がった。
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