第40話・命を狙われてた弟子達と新たなるダンジョン
「実は、申し上げにくい話がございまして……私とアリシア様は町のごろつきや傭兵ギルド、果ては暗殺者ギルドに命を狙われていたようです。アイオスさんからは口止めをされているのですが、昨日アリシア様が治療院で治療している際に冒険者と衛兵合わせて三百名とごろつきにチンピラや傭兵ギルド、暗殺者ギルド六百名余りが戦闘を行い、大量の捕縛者が出まして、その主犯がトニオ・マリーノとザパン商会と判明致しました」(ほんと録でもない豚と馬鹿です)
「あー、アイオスさん達に無理しちゃダメって言ってたのにー!だから宴会が何時もより遅かったんですね!それで家捜ししてたらダンジョン見つけちゃったって感じですか?」(もう、無茶な事しちゃダメですよアイオスさん!)
《アレならば問題あるまい?強さと見た目だけならエルダーゴブリンジェネラルと同等な位だしな》
「はい、現在マリーノ商会ダンジョンは指輪の魔力で封印されていますが、マリーノ商会は自宅地下のダンジョン産の品で莫大な財を築いたようですね。道理で商品の仕入れ方法が分からない筈ですよ。これは完全に違法なダンジョンの占有と密輸扱いで国内法では完全にアウトですね」
「あー、エルト小国の国内法だとダメなんですね?」(何故かな?)
《あー、ダンジョン関係はな……国際的にも色々と不味い》
「はい、ダンジョンから産出される資源に関しては国が管理致します。それを税収とするのですから、脱税の罪も加わり、かなりの重罪となります。ほぼ公開処刑間違い無しですね」
「ふむふむ、そんな大事な指輪がなんでエルダーゴブリンジェネラルの巣穴に落ちてたんですかね?よほど大事な品ですよね?」
「実は非常に間抜けな話でして、大切な指輪を誰にも預ける気がなかったトニオ・マリーノが数ヶ月前に大口の取引で大量の高級な干し肉などの積荷をドワーフ領セレニムに輸送中、指輪を乗せた馬車を含めた多数の馬車が御者と共にネームドのエルダーゴブリンジェネラルの群れに襲われたようでドワーフとの取引は御破算して大損し、その後も指輪の力がないと入れないダンジョン産の品を補給出来ず、ネームドのエルダーゴブリンジェネラルにも対処できずに困っていた処で今回のアリシア様によるネームドのエルダーゴブリンジェネラル討伐が起こり、これ幸いと指輪を安く取り戻そうとしたものの失敗、欲に目が眩んで暴走してしまったようですね。ついでにドワーフ武器の闇取引の嫌疑も出てきましたしね」(アイツは本当の馬鹿なの?)
《それは阿呆だな》
(ですね)
「あー、あのネームドのエルダーゴブリンジェネラルの洞窟に有った大量の時知らずの特大マジックバッグに入ってた高級食材はマレノ商会の荷物だったんですねー。何故かゴブリンには見向きもされてませんでしたけどー。私のアイテムボックスにめちゃめちゃ大量に保管して有りますね」(うん、インベントリ内に大量に保管して有りますね……)
《まあ、マジックバッグだけで新古大小二百を軽く超えるしな…小さい方はガラクタも多いので片付けが難しいのだが…》
「どうやらゴブリン達は新鮮な生肉しか食べないようです。特に生き物の内臓を好みますね。何故か塩漬けされた肉はほぼほぼ食べません。腐った肉は平気で食べるので不思議な話なのですが……」
「ふむふむ、コボルトさんと同じ感じですか?」(コボルトさんも内臓が好きらしいんですよねー)
「そうですね。コボルトと同じように内臓が好物らしいです」
※一般的にダンジョンは、その全てが各国の管轄となる。ダンジョンから産出される素材がギルドや商人に入り、その利益が国に納められる事が国益となるため、個人がダンジョンを秘匿する場合は犯罪となり、良くて奴隷落ち、悪くて処刑である。犯罪奴隷の場合は一生を鉱山で暮らす事となる。
冒険者達と衛兵達の調査結果が役所にもたらされ、既に指名手配されたトニオ・マリーノは置いて置くとして、ダンジョン問題は暫く保留とされ、役所と冒険者ギルドの用意が整い次第の調査となった。
アリシアは手持ちのアーティファクトで有る鉄の指輪をどうするかターシャに尋ねるが、これは国の管轄となるので、アリシアは持っていて良い物ではないと思ったからだった。
「えっと、この指輪はどうしたら?とりあえず、ターシャさんにお渡ししたら良いですか?」(要りますよね?)
「そうですね。今回は国有ダンジョンに関係しますので、エルト王国が適切な値段で指輪を買い取りますよ」(当然ですね)
「はあ、私は別に無料でも良いんですけど…」(むしろ私は要らないです)
《確かに要らんな》
「いえいえ、場合によっては新たなダンジョンの資源で町が潤いますし、場合によると、この町にエルト小国中の冒険者が殺到しますよ?国の収益が大いに上がりますから報酬は最低でも聖金貨や白金貨数十枚程になるでしょう。先のゴブリンジェネラル討伐も含めれば白金貨なら数百枚を超える額にも軽く届く程かと」(無料なんて勿体ない)
「聖金貨に白金貨が数十枚から数百枚以上ですか?私の平和な日常が崩れていくような…」(既にエルダーゴブリンジェネラルの財宝で龍血貨数百枚分の貨幣がインベントリ内に有る時点で怖いんですけどー)
《猫ポーチにも白金貨や金貨、銀貨に銅貨が山程有るぞ。舞台でのお捻りで貰った小銅貨なぞ数える気もせん位にはポーチを占領してる》
とりあえず、アリシアはエレノの町中に有るダンジョン入口の封印を解く為のアーティファクトで有る鉄の指輪を冒険者ギルドに速やかに回収され、役所と冒険者達との準備が終わり次第始まる予定の大規模なダンジョン探索の為、ターシャからのお願いをされ、薬品を大量に納める為に近くの森に素材集めに行きました。
今後も頑張って更新していきますので、ここまで読んで面白い!続きが気になると思っていただけたら、小説のフォローや下の↓♥、レビュー★★★などお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます