第39話・とりあえず治療院は大成功

「おはようございます!」


「いらっしゃいませアリシア様♪昨日の治療院の報酬と依頼達成回数とギルドへの貢献の算出が完了致しました。依頼達成回数は朝と昼で二回、報酬は白金貨十枚とに大金貨五に金貨四枚、銀貨と銅貨が数枚に小銅貨が数百枚です。これならば南町の五百人程の貧民達への朝夕の炊き出しと毎日一人銅貨一枚の寄付が数ヶ月は可能です。それと、ギルドへの貢献は銅級上位への試験免除と奉仕活動免除とさせて頂きます。このような事は過去に前例が有りませんのでご不満が有るかもしれませんが、今回はこちらの内容で宜しいでしょうか?」


「はい、問題有りませんよー♪沢山の食べ物を貰えて私もラッキーでした♪」


《おいおい…流石アリシアって感じだな。貧民にも救済措置が施されるのは評価するが……》


「アリシア様、聖女様の治療となりますと一回大金貨ニ枚は掛かります。これがアリシア様クラスの治療や回復魔法を使われる方となりますと大金貨五枚は簡単に超えてしまうのではないでしょうか?それを貧民からはアップル10個ほどですから、対価としては如何なものかと……」


「そうですか?私は色々なスキルが使えるようになって、尚且つ食糧補給が出来たので最高でしたよ。また機会が有ればやりたいですね♪」


《まあ、治療院は治癒魔法や回復魔法、魔力制御とかのスキルアップに使えるな》


「畏まりました。今後もアリシア様の意思を尊重させて頂きます。お好きな日付を選んで治療院を使って下さいませ。アリシア様の名義で治療院の土地と建物は購入、管理させて頂きます」


「分かりましたー♪」


《うん?これで一人暮らしが出来るんじゃないかアリシア?》


(師匠、あそこは二階建てですが二階は倉庫ですよ?)


《倉庫か、生活設備が無い部屋はいかんな》


「本日はどうされますか?冒険者ギルドと致しましては、アリシア様の普通品質+クラスの薬品を納品して頂けると助かるのですが……お願い出来ますでしょうか?」


「分かりましたー。とりあえず、冒険者らしく素材を集めに行って来ますね♪」


《そうだな、せっかくの冒険者なんだし》


「アリシア様、薬品に使う素材でしたら、当ギルドにございますよ」


「うーん、それでは冒険者としてダメダメだと思うんですよねー。やはり、近くの森でホーンラビットやフォレストウルフ、ゴブリンなんかと戦いつつ素材を集めるのが冒険者の醍醐味だと思うんですよー」(そうですよね?)


《うむ、ちょっと魔石とカード集めがしたいところだしな》


「アリシア様、エレノ冒険者ギルドから申し上げますと、近くの森にはマッドベアやタスクボアに野生の動物もそれなりに居ますので、なるべく怪我をされないようにお願いしたいのですが……」


「うーん、薬ばかり作ってランクを上げても意味無いと思うんですけど。私、魔法を使わないと……たぶん石級ランク位の力しか無いですよ?」


《ハハハ、それは偽装だがな》


「エルダーゴブリンジェネラルを討伐されたアリシア様とは思えない発言ですが……現在のアリシア様の身体的な能力は確かに石級ランク相当なので、私共は心配なのです。誰かとパーティーを組んで下さるか、せめて戦闘奴隷を購入されては如何でしょうか?」


《うむ、やはり偽装しておいて良かったな》


「うーん、奴隷さんは扱いが分からないんですよねー。アイオスさんからもパーティーを組まないなら、前衛の奴隷を購入しろとは言われてますけど」(うーん、どうしよう?)


《俺は奴隷は好かんが…アリシアがどうするかはアリシアが決める事だ。くれぐれも無理な事や理不尽な事をするなよ?犯罪者は別だがな》


(そうですね)


「アリシア様、前向きに戦闘奴隷のご購入を考えて下さいませ」


「分かりましたー」


 前日の治療院の達成報酬の使い途を聞き、そのついでにギルドの受付で軽く雑談していると受付嬢のターシャが耳打ちして来た。なにやらマリーノ商会の話が有るらしい。


「ところでアリシア様、例のマリーノ商会の調査結果が入りましたのでご報告をさせて頂きます」


「はあ、マリーノ商会って…一昨日の気分の悪い方ですよね?それは私に関係有るのですか?」(何でしょう?)


《何か有るのだろう》


「そうですね。実は関係が大いに有りです。アリシア様の所有するエルダーゴブリンジェネラルの巣穴から回収した遺品の鉄の指輪は、アーティファクト級の品らしいのです。トニオ・マリーノが欲しがった指輪です」(見た目はガラクタですが…)


「アーティファクト?あの鉄の指輪が秘宝なのですか?まあ、あの気分が悪い商人さんは凄く欲しがってましたねー」(はあ、見た目はガラクタなんですけど)


「はい、あの鉄の指輪はマリーノ商会の地下に有るダンジョンの鍵であり、このマリーノ商会ダンジョンはトニオ・マリーノによって長く秘匿されていたようです。昨夜、トニオ・マリーノの店に突入した冒険者と衛兵達がダンジョンの入口を確認しました」(全く、あの馬鹿豚は何を考えてるの?)


「ええ!?エレノの町の真ん中にダンジョンですか?それに冒険者と衛兵が何故にマリーノ商会に突入しちゃったんですか?」(それは物騒ですね)


《ふむ、何やらキナ臭いな》






今後も頑張って更新していきますので、ここまで読んで面白い!続きが気になると思っていただけたら、小説のフォローや下の↓♥、レビュー★★★などお願いします!


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る