第4話・薬作って白金貨、クエスト報酬銀貨一枚
水源池からの帰り道でも、暇が有ればどんどん採取していくアリシアのインベントリ内のアイテムルームは、かなり混沌としていくのだが……お片付けが下手な方では無いアリシアと師匠はしっかりと項目を造ってはアイテムを分別していくのだった。
すると貧乏性な上に収集癖が有るアリシアは遂に自動収納スキルまで手に入れてしまう。
アリシアが自然と鑑定を駆使して有益だと思った物は何でもアイテムボックスに収納されていくので、既にチートクラスの意味不明なスキルで有る。だが、このスキルには欠点も存在した。
「ギャギャ!」(人間が居るぞ!)
「ギャギャギャギャ!」(女だ!)
「うわー、またゴブリンですかー、ウォーターボール!」
《ゴブリンの死体か…何の価値が有るんだろうか?》
「全然分からないですねー」
帰り道にもゴブリンが居たため、威力弱めの魔法を多用したのは良いのだが、死んだゴブリンの死体が何故かアイテムボックスに収納されていくので有る。ホーンラビットやフォレストウルフの死体も同様に収納されていくので気にしないようにしていたが、流石にゴブリンの死体なんて何に使えるのか分からなかった。
この日は薬草やハーブ、果物に野菜に木材などなどに加え、ホーンラビットを15匹、フォレストウルフを8匹、ゴブリンの死体が17匹分にゴブリンソード17本を手に入れた。
ほぼほぼ楽しい一日を過ごしたアリシアはエレノの北門からエレノの町に入っていく。
「お帰り魔法使い殿!今日もギルドの依頼かい?」
「ただいまです!門番さんもお疲れ様です!今日は水源地の調査でしたー」
「ゴブリンとかは大丈夫だったかね?」
「ええ、なんとか大丈夫でしたよ!では、失礼します」
エレノの町の兵士達とはすっかり顔見知りとなり、道行く人々とも声を掛けつつ中央通りまでやってきたアリシアはエレノ冒険者ギルドに入って行く。
「ギャハハ!今日もたんまり稼いだな!」ざわざわ……
「はあ…今日は北の森の薬草が全く無くて北西の森まで薬草採取に行く羽目に……」ざわざわ…
「東はゴブリン一匹居なかったぞ。お陰で上薬草やヒーリンハーブが取り放題だったぜ!」ざわざわ…
相変わらず、ギルドの中は冒険者達の熱気で騒がしい。依頼を達成した冒険者達は報酬の分配やミーティングをしており、パーティー間の情報交換も盛んに行われていた。
アリシアは3つ有るカウンターの一つ、真っ直ぐにターシャの受付に向かって歩いていき、暫く列に並んだ後に依頼の報告をしていくのだった。
「お帰りなさいませアリシア様。依頼の報告でしょうか?」
「はい、ただいま帰りました。依頼の報告をお願いします」
《アリシア、なんで厄介な受付を選ぶ》
(なんとなく?)
「では、カードを拝見いたします」
「どうぞ」
「はい、水源地の調査は大丈夫ですね。色々と討伐されておりますので精算させて頂きます。水源地調査の依頼達成が銀貨一枚、鉄級上位のフォレストウルフ討伐が銀貨ニ十四枚、ゴブリンが銀貨五枚と銅貨十枚となり、合わせて銀貨三十枚と銅貨十枚となりますがよろしいでしょうか?」
《アリシア、薬は?》
(ああ、大量に作りましたね!)
「すいません、頼まれてたお薬も用意して来ました。どれ位出せば良いのでしょうか?大量にストックして有りますけどー」(うん、ほんと大量です)
「アリシア様……100個単位でも大丈夫です。現状、普通品質クラスの傷薬やポーションは在庫不足でして、粗悪品の傷薬やポーションで凌いでいる状況ですので……」
「そうなんですか?言って頂ければ普通品質+ランクの傷薬やポーションは何時でも提出出来ますよ」
《普通品質ですら品薄状態とは…有り得ん酷さだな》
(そうですねー、村では銅貨1枚均一でしたし)
《あの外道商人め》
「ありがとうございますアリシア様。ダンジョン帰りに負傷してくる冒険者も多く、例え高価な普通品質+の傷薬やポーションであっても当ギルドで需要が途切れる事は有りません。定期的に納品して下さると助かります」
「そうなんですね。では、傷薬が100個とポーション50個を納品しますね」
「では、鑑定させて頂きますね…………………………素晴らしい!普通品質+ランクの傷薬とポーションの納品依頼完了です。先の水源地調査と併せまして白金貨一枚、金貨ニ十五枚、銀貨七十五枚、銅貨十枚となりますが現金で用意しますか?ギルド預金にしますか?」
「現金でお願いします」
《なんだ?白金貨一枚以上でも払えるのか?》
(みたいですねー)
「では、現金でお渡しいたします。アリシア様は先だってのネームドのエルダーゴブリンジェネラル討伐に加え、薬剤の納品依頼などの達成回数は既に規定の回数を越え、功績などを勘案して今後は暫定で鉄級上位となります。ギルドへの奉仕義務も既に終えていますのでギルド加入から半年後に試験無しでカードが更新されます。昇級まで、あと五か月お待ち下さい。アリシア様のこれからの活躍を期待させて頂きますね」
「うわー、凄い大金ですよねー。」(一日で……)
「当然の対価です。暫定でも鉄級上位ランクとなりますと色々と選択肢が増えますから、さらに基本的な報酬の高い依頼が請けれるようになりますよ」
「そうなんですね」
アリシアは一日で恐ろしい額の報酬を得ました。ぶっちゃけ、薬を売り続けるだけで一生安泰です。
今後も頑張って更新していきますので、ここまで読んで面白い!続きが気になると思っていただけたら、小説のフォローや下の↓♥、レビュー★★★などお願いします!
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