第2話・初めての依頼
「アリシア様、本日はどんな依頼を受けられますか?」
「どんな依頼が有りますかね?」
「アリシア様向けの鉄級ランク依頼ですとこの辺りでしょうか」
【水源調査……報酬・銀貨一枚】
【低品質ランク以上の傷薬5個の納品……報酬・銀貨25枚〜】
【低品質ランク以上のポーション1個の納品……報酬・金貨1枚〜】
【ゴブリン系討伐……報酬一体・銅貨三十枚〜】
「うーん、どれにしようかな?」
「当ギルドと致しましては、アリシア様の傷薬とポーションを要望させて頂きたく思いますが……今回はエレノの近くの森での薬草の採取をしながらの水源地の調査は如何でしょうか?」
「水源地の調査ですか?何か問題でも?」
「現在のところ問題は有りませんね。水源地の泉の掃除をする程度です。途中ゴブリンが居ますので要注意ですが、アリシア様ならば問題無いと思われます。ところで、アリシア様はパーティーを組まれないのですか?」
「では、水源地の調査の依頼を受けようと思います。他の依頼も同時に受けても良いのでしょうか?あと、パーティーに関しては冒険者の仕事に慣れてから考えようかと思います」
「複数の依頼を同時に請ける事は可能です。ゴブリン系の討伐などは常時発注依頼ですし、低品質ランク以上の傷薬やポーションの納品はアリシア様だけの為に作られた依頼ですので。パーティーの件はごゆっくりお考え下さい。現在、アイオス様からオファーが来て居ますが保留とさせて頂きますね」
「はい、では行ってきますね。薬草採取とかもついでにやってきますので、お薬も納品出来ると思います」
「ありがとうございます。では、お怪我をしないように頑張って下さいね」
アリシアはターシャに渡された水源地の地図を片手にエレノの町の北門を出て、薬草などを採取しながら水源地を目指した。
途中までは舗装はされていないものの街道が存在しており、脇道には薬草やハーブが大量に生えていた。
薬草やハーブは葉っぱだけ千切れば数日で元に戻るため、根元から引き抜かずに綺麗に葉っぱの部分だけ摘んでいった。
ついでに乾いた薪を集めるのも忘れない。
アリシアは何でも集める性格なので色々と落ちている物を拾っていった。
アリシアの目に入った薬草、上薬草、ハーブ、ヒールハーブ、マッシュルーム、薪、綺麗な石などなど、欲しいと思った物は全てマジックルームに送られ師匠が仕分けに追われる。
《おいおい、薪や薬草にハーブは良い。何故に綺麗な石を集めるのだアリシア?》
「綺麗な石は加工したらアクセサリーになるんですよ。これが銅貨数枚に変わるって凄いと思いませんか師匠」
《えーとだな……何処からツッコめば良いか分からんのだが……お前は既に白金貨や金貨に銀貨を数え切れん位に持ってるんだが何故に小銭に拘って酒場で芸人みたいな事したり、こうやって小銭稼ぎをしようとするんだ?》
「うーん、エルダーゴブリンジェネラルの財宝って棚ぼたじゃないですか。師匠は悪銭は身につかないから、しっかりと自分の力で手に入れた小銭の方が良いかなと思いまして」
《おお、そうか!自分の力で稼いだ金のみを猫ポーチに入れてるのはそのせいなんだな。ま、それでも大量に金貨とか有るし大丈夫か》
「そうです師匠、私の猫さんポーチには白金貨二枚分位のお金が入ってますから急な出費も大丈夫です!お金持ちになっても無駄使いはしません!」
《うむ、さすが我が弟子だ。他の馬鹿弟子達にも聞かせてやりたいぞ》
「師匠、他にも弟子が居たんでしたっけ?」
「おう、たぶん今は若いヤツでもアラフォー、歳をとってればアラフィフだな…剣馬鹿、槍馬鹿、魔法馬鹿、色々とおったぞ。他所の国に行ったら会えるやもしれんな」
「剣馬鹿、槍馬鹿、魔法馬鹿ですか……なんか凄そうですね」
《俺が居なくなった後も研鑽を積んでいれば、今のアリシアでは勝てん強さの筈だよ。むしろ、勝てんならシバき倒すがな》
「あはは、他のお弟子さんにも会いたいですね」
「うむ、この辺境から外に出れば色々な場所に行けよう。その時には俺の作った国を見に行こう」
「そうですね。でも、今はまだエレノア半島の外の国には行けません。私、まだ未成年ですから!」
《ああ、天職の儀にアイエスの審判か……アレ、実は俺が発掘して妻が魔力通して起動させた太古の機械生命体でな。融通がきかないヤツで困るんだよな。抜け道は有るけど、例えばアリシアだったら冒険者カードが有るし》
「そうなんですか?だったら外の国に行けますね」
「ま、今はもう少し自重しとけ。エルダーゴブリンジェネラルのフェイクモンスターを倒した際に身体が大きくなってから成長痛やプラナとマナの増大が止まらんのだろ?普通に生活するのもやっとやっとなんだし、今はゆっくりしてろよ」
「分かりましたー!」
師匠とのんびり会話しつつもアリシアは素材採集をやめず、水源地までは森を抜けていく必要が有るため大量の素材が手に入り、さらに小川を上流へ上流へと登っていくと……少し拓けた場所にいるゴブリンの一団と出くわした。
今後も頑張って更新していきますので、ここまで読んで面白い!続きが気になると思っていただけたら、小説のフォローや下の↓♥、レビュー★★★などお願いします!
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