第85話・リンバルト将軍はグラントへ

 アリシア達のエレノへの帰還から2日、この日は大規模な宴会が行われ、エレノの町はお祭り騒ぎ、エルダーゴブリンジェネラルの首無し死体は防腐処理をされて広場にガラスケースに入れられて飾られる事となり、エレノの現町長のデュヴァル・リュパン伯爵は、エルダーゴブリンジェネラル討伐の功績から王都で昇爵と表彰を受ける事となり、後から来る代官と交代でエレノの町を離れる事となった。


 当然、アリシアもエルダーゴブリンジェネラル討伐懸賞金や宝物などの受け取りと表彰に喚ばれているのだが、半年程度なら待たせても問題がない為、半年以内を目処として王都に向かう事にしたが特に焦る必要は無い。アーサー・リンバルト将軍により、エルダーゴブリンジェネラルの首は即日エルト小国の都に向かって届けられ、アーサー・リンバルト将軍も後続の歩兵千名の到着後にグラントでオークキングの討伐戦に参加後に王都に戻る事となる。


「ほっほっほ、これは可愛い小さな魔法使い殿、エルダーゴブリンジェネラル討伐、誠に大義であった。我が師の仇を討ってもらい感謝に堪えん!奴の首は王都に送って有るので時間が空いたら王都に来ると良いぞ。ワシが王都を隅々まで案内してやろう。なんなら公爵のワシの養女にでもならんか?魔法使い殿がうちの娘になってくれれば妻が喜びそうだしのぉ」


 リンバルト公爵夫妻は仲睦まじいながらも子宝に恵まれず、リンバルト将軍はアリシアの事を直ぐにでも養女にしたい位に気には大変入っている。


「はい、時間が空いたら王都に向かいます。王都の観光はしてみたいのですが、養女の件は今はちょっと……今は冒険者のお仕事に慣れる為に頑張ります」


「ふむ、そうか……では、王都に来た時はワシに声を掛けてくれ。ワシも妻もお主のような可愛い娘が是非とも欲しいんじゃが、何処かにワシの家督を継いでくれる可愛いくて将来有望な利発な子供はおらんかのぅ……」


「リンバルト将軍、一度町の孤児院に行ってみた事は有りますか?」


「いや、儂は聖光教会の孤児院には毎月そこそこに寄付はしておるが直に行った事は無い。今度行ってみるべきかな?」


「はい、一度見に行って下さい。親の愛を求める可愛いくて利発な子は沢山居ますから!」


「そうか、それも良いのぉ。妻と共に沢山の可愛い子供達に囲まれる余生か、それは夢が膨らむの。ほっほっほ、ではな。儂はオークキング討伐の任務が有るので次に会うのはグラントの街か王都でじゃな。楽しみに待っておるぞ」


 名もない村の避難民達は予定通りにエレノの町の知古を頼り、位階の高いオルソンとバスカルは各自支度金の金貨三枚を使って装備を整え、隊長候補の見習い兵士としてエレノの町で暮らす事となる。重傷だったアニス院長達はアリシアの治療を受けて全快し、少なくない報奨金を携え孤児達を連れてエレノの町の聖光教会修道院に身を置いた。


「アリシアちゃんや、ワシ等はエレノの町の公営共同住宅に住めるようになったぞい!」


「アリシアちゃんのおかげで助かったわ。息子のオルソンも隊長候補の兵士見習いになれたから、町の暮らしに慣れないとね」


「公営共同住宅に入れたんですね。役場からも近いですし良い場所ですよねー」


「そうじゃな。名もない村では金も掛からんかったが、町での暮らしは金が掛かるしの。綺麗で安い家賃の公営共同住宅に住まわせて貰えて助かるわい」


「そうね。一時金に金貨三枚も貰えるなんて凄いわー。公営共同住宅の家賃が一月銅貨三十枚だから、なんとか生活を立て直さないとね」


「何か有ったら言って下さいね!私はだいたい冒険者ギルドの仕事をしてますから!」


「今後とも宜しくね、アリシアちゃん」


 エレノの現町長デュヴァル・リュパンとの契約が為され、ガルムお爺ちゃんやエルお婆ちゃん等は皆で家賃の安い公営の共同住宅に入り生活をする事となった。


「おう!魔法使い殿!バーベキューでも食っていきねぇ!」


「ありがとうございます!美味しい!」


「焼きたてのバーベキューを食べながら飲むエールが堪らんのよ♪魔法使い殿もじゃんじゃん食べてくれぃ!」


「頂きます!」


「魔法使い殿!こっちのソーセージも摘まんで下さいよ!美味しいですぜ!」


「うわー、凄く大きいですね!」


「ハサミでチョキってね。どうぞどうぞ♪」


「頂きます!」


「ふひゃ~、良い食いっぷりですな!お土産もどうぞ♪」


「ありがとうございます♪」(お土産が沢山……幸せ……)


「アリシアさーん、ポンチョ特製の焼き鳥もどうぞ♪魚介スープも有るよ♪」


「うわー、ストックに沢山頂いても良いですか?」


「どうぞどうぞ♪今から出来立てを渡しますよ♪」


 エルダーゴブリンジェネラル討伐の宴会で色々な食べ物を奢られたアリシアは満面の笑みで一日を終えました。


 翌日、アリシアは冒険者ギルドに向かい、緊急依頼達成の報告と今までの緊急依頼の報酬を貰う事にします。








今後も頑張って更新していきますので、ここまで読んで面白い!続きが気になると思っていただけたら、小説のフォローや下の↓♥、レビュー★★★などお願いします!

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