第86話・凄まじい懸賞金と知られた技能
「いらっしゃいませアリシア様。ネームドのエルダーゴブリンジェネラル討伐おめでとうございます。カードに蓄積された情報で冒険者ギルドからのモンスター討伐報酬などをお渡し致しますね」
「カードに蓄積された情報?」
《ほう、そんな機能も有るんだな》
「はい、ギルドカードにはブックと同じように賞罰やモンスターの討伐情報などの一部が記載されていきますので、ある程度モンスターを討伐した際にはこまめに換金願いますね。これは依頼達成とは別の常時討伐の懸賞金扱いですので、モンスターを倒せば倒した分だけ報酬が手に入ります。ある程度の貢献が認められた場合には冒険者ギルドでのランクアップにも影響が出ますので頑張って下さいね」
「はい、頑張ります!」
《ほう、モンスターの素材以外にも報酬が出るのだな》
(みたいですね)
《フェイクのモンスター討伐はどうなるのか楽しみではあるな》
(あー、ゴブリンナイトやエルダーゴブリンジェネラルですね?どうなるんですかねー)
「では、ギルドカードをお渡し下さいませ」
アリシアは専属の受付となった副ギルドマスターのターシャにカードを手渡します。隣のカウンター二つには沢山の冒険者が報酬を受け取りに来ていますが、アリシアだけの特別待遇です。
「どうですか?」
《エルダーゴブリンジェネラルがどう出るか楽しみでは有るな》
非常に残念な事に、名もない村の魔物の棲む森ルシオンで討伐した一部のモンスターはアリシアが鉄級冒険者となった際に討伐支給対象外となってしまいましたが、それ以外のモンスター討伐の査定結果は凄まじいものでした。
「今回は……かなりの数を討伐されてますね。アリシア様は鉄級冒険者ですので既に討伐対象外のビックラットやホーンラビットは省きますが勿体ないですね。ビックラットは一匹銅貨五枚、ホーンラビットは銅貨十五枚ですので、これだけでも一財産なのですが…ギルドに入って直ぐにこれだけ討伐されていたとは知りませんでした。ギルド規定により報酬を渡せず申し訳ございません」
「あー、そうなんですね!鉄級になる前にターシャさんに聞けば良かったかも?ま、仕方ないのかな?」
《アリシア……お前はネズミを軽く五千匹、ウサギは三千匹以上討伐してるんだが?しかし、アイテムルームにはそこまで肉が無いのはもしかして……》
(全部美味しく食べましたよ?)
《嘘だろ……いや、アリシアなら有り得るから恐ろしいな》
(違います!村のみんなで食べたんです!ネズミ肉は二千五百匹分、ウサギ肉も千八百匹分、クマは七百匹ちょっと位は残ってますよね?)
《いやいや、やっぱり計算おかしくないか?修行中も含めてでもそんなに食うか普通》
(お肉、美味しいですよねー)遠い目
《おい!》
「そう言って頂けると助かります。では計算致しますね…銅級下位クラスのマッドベアが一匹金貨三枚で七百七十五匹で白金貨ニ十三枚と金貨ニ十五枚、ゴブリンが鉄級下位クラスの平均割で一匹銅貨三十枚ですから四千三百二十四匹なので白金貨一枚に金貨ニ枚と銀貨九十枚に銅貨ニ十枚、鉄級中位クラスのゴブリンソルジャーが鉄級中位の平均割で一匹銀貨三枚、五百二匹で金貨十五枚と銀貨六枚、鉄級上位クラスのゴブリンアーチャーが一匹銀貨五枚で三百三十一匹で金貨一六枚と銀貨五十五枚、銀級上位クラスのゴブリンナイトが金貨五十枚で五十六匹で白金貨ニ十七枚と金貨五十枚、ネームドのエルダーゴブリンジェネラル1匹で白金貨ニ百枚ですね。緊急依頼達成報酬が鉄級中位で金貨五枚と金級ランクの依頼達成報酬が白金貨五十枚ですので全部で白金貨三百二枚、金貨九枚、銀貨五十一枚、銅貨ニ十枚です。さすが『氷雪暴風』のアリシア様ですね。貯まった戦果が桁外れです。受け取りは小切手にしますか?ギルド預金にしますか?残念ですがエレノ冒険者ギルドの本日の予算の白金貨十枚では全額支給は無理ですので……現金支給は白金貨一枚位までなのは申し訳ないのですが、ご了承下さい」
結果、現金での支給は難しく、大半は小切手かギルド預金に入れられるようですが、ポンチョの宿や各商店では冒険者カードでの決済が可能なので問題はなく、ポンチョの酒場や露店や屋台などで品物を購入する為の現金のみを支給してもらう事にします。
《ふむ、エルダーゴブリンジェネラルはネームド扱いであったか、真に迫る拘りで造ったかいが有ったな。ま、あとのゴブリン達は思うところが有るが……なかなか良い小遣い稼ぎだったな弟子よ。》
「アリシア様、小切手は王都やグラントの街などの役場や冒険者ギルドなどで現金に交換可能な契約用紙だと思って頂ければ宜しいかと思います。今回は桁外れな報酬なので強盗されると大変なのですが如何いたしましょうか?」
(師匠ー、どうしますか?小遣いの金額の桁が多過ぎますよー)
《ま、そんなもんだろ。労働には報酬が無ければやっとられんぞアリシアよ。とりあえず小切手はやめといて預金しとけ》
(そうですか?でも師匠、滅茶苦茶多いような……)
「えーと、小切手?は、いまいち分からないのでギルド預金と現金でお願いします」
アリシアはカード預金に大半の報酬を入れてもらい、白金貨一枚分は金貨や銀貨、銅貨に崩して貰って猫さんポーチに入れました。
「畏まりました。ギルド預金はギルドカード所持者本人か、遺族のみが使用可能なシステムです。間違ってギルドカードを破損されても、再発行時にブックを提示して頂ければ情報は継続して残ってますので安心して下さいね。なお、ギルドカードの再発行には銀貨一枚の手数料が掛かりますので予めご了承下さい」
「分かりました!」
《ま、冒険者カードはアイテムルーム内に保管してるし大丈夫だろ》
(ですねー)
「アリシア様、ビックラットやホーンラビット、マッドベアも多数の討伐をしておられますが、今までの素材などはどうなさいましたか?毛皮や牙に角、爪や肉に一部内臓なども素材売却が可能ですが」
(師匠、何かアイテムルーム内にありますか?)
《うーん、アリシアよ。むしろ有り過ぎて何を出したら良いのか分からんぞコレは……色々な肉と熊の内臓だけでギルドの倉庫が百は埋まるな。毛皮に牙に角、爪なら倉庫が十有れば入るだろうが出すのか?てか、アイテムルームの容量が大き過ぎるだろ!既にルームって感じじゃないぞ?》
「えっと、何を出しますか?」
《おいおい……こいつ鑑定スキル持ちだって言ったよねアリシア》
「アリシア様!もしやアイテムボックスの技能をお持ちでしょうか?それか、特大の時知らずの魔法の袋持ちでしょうか?その猫さんポーチ以外にも何か持ってますか?」
「えーと、両方ですね」
《おーい!アイテムボックスの技能は言っちゃダメだろ!》
(あ……そうでした)
「それは素晴らしい。分かりました!今後とも、エレノ冒険者ギルドをご贔屓にして下さいませ!輸送に討伐、素材収集などの依頼は沢山御座いますので!」
「はい、今後とも宜しくお願いします」
《あー、この後が悪い予感しかせんな》
今後も頑張って更新していきますので、ここまで読んで面白い!続きが気になると思っていただけたら、小説のフォローや下の↓♥、レビュー★★★などお願いします!
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