第47話・焼鳥は塩味しか勝たん??
エルダーゴブリンジェネラル襲来二日目の攻防戦もエレノの兵士達の粘り勝ちとなり、今日もアリシアはポンチョの宿屋の食堂で陽気な兵士や冒険者達に料理を勧められ、アイテムボックスに料理を収納したり、美味しい焼き鳥を頬張りながら果実水を飲むのでした。
冒険者から頼まれれば、ちょっとした隠し芸的に水魔法で氷の花を咲かせてみたり、小さな花火を出してみたり、冒険者達をモデルにしたリアルなミニチュアを土魔法で作ったりして楽しんでいる感じです。
そして隠し芸や声楽などの無駄技能のスキルツリーが上がっていくのでした。
アリシアは歌声も美しく、旅の吟遊詩人もノリノリで演奏するため、食堂兼酒場は何時も以上に騒がしいのですが、エルダーゴブリンジェネラルが襲来している現在、士気を落とさない事が肝心であり、アリシアの能力は兵士や冒険者の希望の光です。
「ぐあはははは!今日の魔法使い殿は凄かったな!なんだっけ?ロックジャベリンだったか?空から落ちてきた、あの鋭い石槍を見たか?」(マジスゲー!)
「東門に襲い掛かるゴブリン達が纏めて引き千切れて潰れたのは笑えたよ。ほんと魔法って凄いねアリシアちゃん!」(この子スゲー!)
「うーん、私はちょっとゴブリンが潰れるのが気持ち悪かったですけどー」(う…)
《おいおい……ゴブリンだって生きてんだぞ。今はたまたま敵なだけだぞアリシア》
(師匠様……ゴブリンはちょっと)
《やれやれ……俺の最初の仲間はゴブリンだったんだがな》
「まあ、口直しにこれでも摘まんで下さいよ魔法使い殿。ポンチョ特製焼き鳥の塩味っすわ!やっぱ焼き鳥は塩味っすね!熱いのをどうぞ!お持ち帰り用も有りますよ!」(塩味は大正義!)
「あ、これは…凄く美味しい!弾力が有る鶏肉に軽い塩味が最高かも!」(塩味も…良い)
《うん、たしかに塩味は正義……って、こらこら!また呑むんじゃないぞアリシア》
「でしょう?俺達の定番の酒のつまみなんですが、ポンチョの特製料理なんでイケますよ」(やっぱり塩味は大正義!)
「オヤジ!焼き鳥を塩で追加してくれ!」(食うぞ!)
「ハイよ♪」
「エールも頼む!」(飲むぞ!)
「エールはセルフで持ってけ~♪俺は料理で忙しいんだよ♪この大食らい達め~♪」
「ギャハハハハハ、おう!冷たいエールと焼き鳥の組み合わせは堪らんな!ほらほら、嬢ちゃんもどんどん食え食え!そして呑め!」
「ほんと、焼き鳥って美味しいですね♪私、お酒は呑めませんよ~、このジュースおいひ〜♪」(タレも塩も最高です)
《あ……今、呑んだ》
「まあまあ、明日も有りますし、皆ぱぁーっと飲んじまいましょう!」(よし、飲むべ飲むべ)
「皆さん、毎日凄く賑やかですね~」(テンション高いな~)
「まあ、これが冒険者ってもんです。死ぬ前に楽しまないとね!」(コレが有るから生きてるって感じだよな…)
「はあ…冒険者って凄いですね!」(うーん…)
《いやいや、アリシアの胃袋も凄いからね?あと、魔法は芸じゃないから!》
ちなみにアリシアは芸を披露して塩味の焼き鳥5人前、タレ味の焼き鳥×5人前、冷たいエール×3杯を奢って貰い、お捻りで小銅貨を山のように稼いだ。
アリシアは酒場での陽気な冒険者との会話も弾み、気を良くした冒険者に焼き鳥などを大量に奢ってもらい、熱々の焼き鳥と冒険者達が調子に乗って渡してきた冷たいエールなどをアイテムボックスにしまって部屋に戻るが簡単に【ウォッシュ】の魔法と【クリーン】の魔法で身体と衣服を清潔にした後、まだまだ眠るのも早いので魔法の訓練を開始する。
この魔法の訓練方法は銘無しの覇王様考案……ではなく、太古の魔法技術先進時代の大魔導師や賢者達が辿り着いた境地である。
修行そのものは単純明快であり、体内で練り上げた純粋なマナを魔素と撹拌し物質化して【宝玉】を造るのである。宝玉は体内にマナが足りない時には飲み込んでマナを補う事が出来たり、大規模攻撃魔法を使用する際に魔道具として使う事も出来るが、魔法使いとしての技量が一定に満たない魔法使いでは小指の爪程度の玉も造る事が出来ない難しい代物だったりする。
ちなみに、アリシアは大きな宝玉ならば直径五センチ位の玉を二つ、備蓄用に直径一センチの玉を毎日20個前後造ってギリギリのラインで止めて寝ているのだが、基本的に魔法使いのプラナも普通のプラナ同様に若いうちの方が伸び代が高いようだ。
【ウォッシュ】
生活魔法で身体を水で洗ったように綺麗にする事が出来る。
【クリーン】
生活魔法で指定範囲を清潔にする。
そして、アリシアの修行中も不眠な師匠はアイテム補修に取り掛かっていた。先ずはゴブリンソードから不純物を取り除き武器を錬成していき、ある程度には使えるロングソードを百振りほど作成し、粗末な弓30張と破れた革切れ30枚から普通の弓を30張造った。
更に破れた革切れ200枚から大きな革切れ50枚を錬成して更に錬成して綺麗な一枚革を5枚造り、矢なども使えるレベルまで補修を終え、訓練を終えた弟子との反省会も行う。
《アリシア、訓練は済んだかい?》
「はい!一通りは済みましたよ〜」
《さて、明日もエルダーゴブリンジェネラルが侵攻してくるだろうが、本日のような微妙な魔法では仲間の損害も激しくなる。俺はこの町の冒険者と衛兵には少し期待してるので少し高度な魔法の使用を許可する。ま、身体に負担を掛けない程度だけどな》
(うーん、どの魔法にしましょうか?)
本日のロックジャベリンの感覚を参考に明日の為の魔法構築と魔力制御の調整を行った後、アリシアはベッドに横になった。
今後も頑張って更新していきますので、ここまで読んで面白い!続きが気になると思っていただけたら、小説のフォローや下の↓♥、レビュー★★★などお願いします!
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