第46話・ゴブリン侵攻2日目の成果は大量

 エルダーゴブリンジェネラル侵攻二日目、本日の攻防戦も終わり、アリシアと師匠はエレノの兵士達が集めておいたゴブリンソードや粗末な弓や矢などは後で補修し、売却する事などを念頭に入れ、大量の破れた革切れなども何かの役に立つかもしれないので一応アイテムボックスに入れておくことにした。


「うーん……ゴブリンやゴブリンアーチャーのカードが百枚以上ありますね」


《ふむ、アリシアが技能を成長するには少し足らんな、コレは俺が預かっておこう》


「師匠様、何か使い途が?」


《あるぞ。俺の権能に面白いヤツが有ってな、お主の収納空間を使って面白い事をしておくとしよう。ま、直ぐには役に立たんが害は無かろうて》


「はぁ……では、カードをお任せしますね。魔石はともかく、大量のゴブリン装備や冒険者の装備品はどうしますか?」


《ゴブリンソードは鉄に製錬、弓矢に革装備は補修して強化、革切れもなにかに使えるか?壊れた冒険者の装備品はアリシアの装備を更新するとしよう》


「師匠って鍛冶とか補修の技能って持ってましたっけ?」


《うん?俺が持ってる権能は一つだよ。【無色】って言って超ハズレ技能と呼ばれてるんだが俺とは相性が良くてな、何色でも無いので何色にもなれるんだ。つまり、俺の努力次第でなんでも出来るようになる面白技能なんだよ》


「師匠と同じで技能も無茶苦茶ですねー」


《あのな、その分苦労したんだぞ俺。この世界の言葉も知らんし、最初に覚えたのは近くに居たゴブリンしばいて覚えたゴブリン語だぞ?》


「ゴブリン語!?そんなの有るんですか?」


《有るよ。アリシアも多分使える筈》


「【無色】って技能、めちゃめちゃ優秀じゃないですか!」


《あー、その辺の説明は今度な。凄まじい数の反復学習が必要なんだよ》


「そうなんですね~、ではでは、魔法収納のお片付けを宜しくお願いします!」


《ああ、俺も大概が暇だしな。まあ、任しとけよ。明日には新しい装備を用意してやるよ》


「ありがとうございます」


 アリシアはゴブリンの魔石を218個、ゴブリンとアーチャーなどの上位種のカード145枚と魔石52個、ゴブリンソード153本、粗末な弓が38張、粗末な矢が356本、傷んだ革装備を52揃え、ズタズタに破れた革切れを285枚、これに破損した新しめの冒険者達の装備品にベテラン冒険者の装備品などを入手する。


 この辺りは、既にアリシアが大量に荷物を入れる事が出来る赤狼(猫さん)のマジックバックを持っている事が知らされているので割とすんなりと物品は手渡せられ、アリシアの中の師匠はマジックボックスと云うよりは既にマジックルームやドームに近い場所に物品の片付けをしつつ、暇にあかして物品の補修、強化の技能で傷んだ装備などの補修をすることにした。


 ちなみに師匠は精神体だがアリシアの内包する世界では実体化も可能で有る。


 前日にエレノの東門の壁に吊り下げられたゴブリン達の醜いオブジェは腐敗が始まり少し臭う。


 東門前の石の槍に貫かれた新しい死体のオブジェと相まって不気味さ倍増である。しかし、このオブジェ達は予想外に別の役割を果たした。


 なんと、ゴブリンアーチャー達が投射し、的を外した矢が大量にゴブリンの死体に刺さり、あまり損壊せずに手に入ったのだ。


 前日も多少の矢は回収出来たのだがエレノ側の矢弾の消費が激しく、本日も矢の数は徐々に減っていた為、今回手に入れたゴブリンの矢は多少の手入れは必要だが大量に在り、エレノの町の鍛冶師達の力も相まって弓兵の装備は向上し、矢の本数は昨日よりも増えていく。


 ゴブリンジェネラル襲来2日目の戦闘は終わり、ゴブリンの装備や魔石を大量に手に入れたアリシアは負傷者達の治療を全て終えてから、エレノ冒険者ギルドにゆったりと向かう。


 アリシアは治癒魔法を惜しみなく使うため、治癒魔法の技能は研ぎ澄まされ、体内に許容出来るプラナとマナの総量は上がり、合間のイメージトレーニングにより魔法攻撃能力や魔法防御能力も若干向上した。


「アリシアさん、本日も大変お疲れ様でした。魔法による攻撃は実に素晴らしい戦果ですね。エレノの町の代表からも感謝状が届いていますよ」(魔術師って凄いわね)


「うーん、やはりロックジャベリンは少し地味でしたね。威力と範囲が狭すぎて弱すぎました。明日は、もう少し強い魔法をチョイスしますかね」(明日はどの魔法が良いかな?)


「いえいえ、そんなことは有りませんよ。冒険者カードを確認するとですね。結果的にはエルダーゴブリンジェネラルの群れのゴブリンニ百匹以上にゴブリンアーチャーを五十二匹は倒した計算です。地味だなんて滅相もない」(地味?あれで地味?)


「でも、エルダーゴブリンジェネラルの率いるゴブリン達はまだまだいるんですよね?もっと沢山倒さないといけません!」


「そうですが、アリシアさんの魔法と薬のお陰で戦死者は限りなく少ないですし、早ければ約7日後には王国から援軍が到着いたしますので今を乗り切りましょう!」(金の卵万歳♪7日間は金儲け出来ますわ♪)


「そうですね。今を乗り切る事を念頭にして、出来ればエルダーゴブリンジェネラルを討ち果たして、名もない村の人達の仇は討ちたいです」(うん、やっぱり許せないよね)


「さすがです。冒険者アリシア様の今後に期待させて頂きます。こちらは本日の魔法使用、治療、ゴブリン討伐などの依頼報酬となります。お確かめ下さい」


 アリシアの前には小さな袋が3つに魔法使用報酬の大金貨三枚、治療費の大金貨三枚、ゴブリン討伐二百匹とアーチャー五十二匹で大金貨十数枚に金貨数枚と銀貨が数十枚、銅貨数十枚程が入っています。


 先日から更に増えた資産を見て、アリシアは頭がくらくらするのを感じながら袋の中身を全て確認して依頼達成報酬の受領書にサインして冒険者ギルドを出て、向かい側のポンチョの宿に向かいました。


 ちなみに、現在の冒険者カードの色は未だに鉛色で鉄級下位のままですが鉄級中位からは色々な制約が有り、現時点では昇級は出来ないのです。






今後も頑張って更新していきますので、ここまで読んで面白い!続きが気になると思っていただけたら、小説のフォローや下の↓♥、レビュー★★★などお願いします!

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