継承編 第7話 想定外の力

「まだ安定しないな。」

有間は未離の状況を見て考えていた。

「今のままだと未離はいつか虚無の力に飲まれてしまう。今は大丈夫だがいつかは訪れる。彼女の体には負担が大きすぎる。どうにかしなければ…」

「どうしたの、お兄ちゃん」

そこへエクステラが現れた。


「なるほどね。私もね、強い力を持ったことがあるの。その時は、大切な人が力を貸してくれたの。私の力は私だけが背負えるものじゃないって、そういう時は一緒に背負ってもらうのが一番いいってね。」

その時のエクステラはなぜか悲しげだった。

「エクスバースに聞いたが、感情から生まれた人形は、俺を好きになるようにできている。お前にはまた別の人がいるようだが。」

「え、えっと、それは…」

「分かっている。お前が違うってことはな。」

「えへへ…ばれてたの。」

「あの時使った力はイレギュラーだ。詳しいことは効かない、今はな。お前が話せるときでいい。」

「…ありがとう」

エクステラは少し涙を浮かべながら笑顔を見せた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る