継承編 第8話 決意の波紋

有間は悩んでいた。

(今の未離にこの力は危険すぎる。どうにかして力を発散させなければ…)

そこへ例の白いローブの女性ミナが現れた。

「どうした、困っているのか?」

「ミナか。力を託した後どうなんだ。」

ミナは笑った。

「良いなんて言えたものじゃないが、自分としては良い感じだ。」

「ああ。」

少しの間沈黙が流れた。


「困っているのだろう。あの少女のこと。」

ミナは切り返し答えた。

「兄としては護りたいが、特に案が浮かばなくてな。」

「ふっ、まぁ自分のやりたいようにやればいいんじゃないか。大切なものを護るためなら何も気にするな。他が嘲笑おうが、いかに恥じる行為だろうが、それはお前自身が決めた道だ。糸目なんてものは気にするな。それに耐え忍ばなければ守れないものもある。消えてからでは遅いのは、お前が一番知っているだろ。」

「そうだな…。」

「守りたいものがあるのはお互い様だ。」


こうして有間の中に一つの決心が生まれた。

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