第十一話 戦略の女神➀

俺は調べた喫茶店を訪れた。

場所は自宅から徒歩5分ほどの距離のところにあり、近隣の学生が足繁く通う人気の喫茶店だ。

(流石に近すぎるだろ。)

天界もバタバタしてたとはいえ、この距離にもしも敵となりそうな者が住んでるとなれば、俺も正直気が気でない。

カランカラン‥‥。

とりあえず俺は店に入った。

「いらっしゃいませ。1名様ですか?」

「はい。」

「こちらの席にどうぞ。」

クールそうな女の子が席に通してくれた。

(この人か。)

そう。

実は今回の目的である処女明菜さんとはこの女性である。

そして彼女こそ俺がいま必要とする能力

『Strategy A』

の継承者にして、女神アテナによる転生者である。

「あの。」

自分の世界にふけっていると、彼女は話しかけてきた。

「ご注文はお決まりでしょうか?」

「あ、えと。アイスコーヒーをください。」

「かしこまりました。」

とりあえずまずは自分の目で情報収集だ。


実は俺の能力。

全知の能力とはいえ、転生者について知れるのは能力までだ。深いところまで知るには直接目視で確認する必要がある。

ある意味この欠点も補う為に彼女が必要なのだ。

よし。

『omniscience G』

俺は彼女を調べるため能力を発動した。

(!?)

俺は驚愕した。

ある程度予測はしていたが、こんなに早々にまさかの自体が起きてしまった。

調べた結果、前世の記憶が残っている。

が、問題はそこじゃない。


彼女は、

『血塗られた15階』の大虐殺の被害者だった。






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