第六話 転生プレゼンテーション
「…不幸な死を遂げた者よ。あなたには異世界に転生する権利を与えま」
「結構です。」
「…。」
「…。」
少し静かな空気が流れ、神がこう切り出した。
「ど、どうしてですか…?」
俺は答えようとし、ふと考えた。
相手は神だ。
もしかしたら嘘を見抜く能力があるかもしれない。なんせ全知全能の神というほどだ。
ここは最善の注意を払う必要がある。
なんせ昔から嘘をつくことだけは苦手だ。
が、俺にはある計画がある。
もしここで計画がバレてしまえば転生どころではない。
(…さて、どうするべきか。)
相手に嘘を見抜かれない方法‥‥
ここを切り抜ける方法‥‥
(…ん?まてよ?その手があったか!!)
あることを閃いた。
とてもシンプルな答えだ。
嘘をつかなければいいんだ。
そしてこう答えた。
「異世界にはそもそも興味がありません。」
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「…。」
神はキョトンとした表情でこっちを見ていたが、
気にせずこう続けた。
「私は小説を読むことが好きで生前は様々なジャンルの小説を読んできたのですが、異世界転生モノは大体、主人公が勇者として戦ったり、チート級の能力を持ってたり、でも結局バトルバトル。
正直、土俵違いすぎてあんまり好かないんですよ。
それに私には32年間で培った努力や経験があります。この知識や経験も現世を生き抜く知恵なだけに、異世界で通用するかどうか。
だったらもらえるチート級の能力と生前の経験に基づいて、前回のような不幸な死を遂げることがないようにしたいです。」
俺は今まで約10年間で培った社会経験をふんだんに駆使して、本来の目的は隠しつつ正直に話した。
これぞ『転生プレゼンテーション』
すると‥‥
「なるほど。あなたの言い方からして嘘はなさそうですね。分かりました。
願いを聞き届けましょう。ただし…」
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「転生者には使命をあたえることが義務付けられています。生き返るからにはそれなりに何かして貰わないと。その為に力を授けるのです。」
(きたか。)
その問が来ることは予想していた。
そしてこう答えた。
「はい。それならは私は、力と知恵を駆使して現世をよりよく導く存在になります。」
その答えに納得した表情を見せた神は
「わかりました。それなら大丈夫でしょう。」
そのままこう続けた。
「不幸な死を遂げた者よ。あなたには私の能力。そして
「或人の人生に、光りあれ」
そして俺は現世に転生した。
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