第三話 血塗られた15階

「!?」

(何が起きている‥‥?)

驚きすぎて声すらでなかった。

いたる所に死体が転がっていて、正直足の踏み場もない。俺は焦りながらも生存者を探した。

できるだけ現場を荒らさないように、最善の注意を払いながら歩き回った。

‥‥が生存者は確認できなかった。

恐らく社員全員がこの階で殺されてるんだろう。

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うちの会社は大企業の、沢山ある営業所の中の氷山の一角にすぎない。

確かに他の営業所からしたら人数は少ない方なのかもしれない。

それでも300人以上はいる。それが全員だ。

「と、とにかく警察に連絡を…。」

ピンポーン‥‥

ドアが開いたと同時にそこに現れたのは、

警察の機動隊だった。

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「君が第一発見者かい?」

強面のよくドラマに出てきそうな服装をした刑事が話しかけてきた。

「はい、そうです。」

「なるほど、君が知っている限りのことを全部教えてもらえるかな?」

それから俺は、見たままのことすべてを話した。

‥‥が。何故か不思議そうな顔をする刑事。

そして次に発した言葉に俺は衝撃を受けた。

「ふむ…実はね。私達はたまたまここに来たわけじゃないんだよ。」

「?」

「ある人から通報を受けてね。君がこの階で人を殺している。私も今逃げている。助けて欲しいってね。」

正直言われた瞬間、よく分からなかった。

‥‥が、次の瞬間。

カシャン

「13:25 現行犯逮捕。」

静かな声とともに、手錠の音だけがこだましていた。

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