第3話

「汚ぇんだよ絵面が! おっさんの触手モノなんて出されて喜ぶ奴いるか!? 需要あると思うか!? 俺はなぁ、こうもっと女の子をこうぐっちゃぐっちゃにしたいんだよ! 最初は『くっ殺せ!』みたいな顔してるのを最終的に『らめぇ』ってアへ顔ダブルピースさせたいんだよ! 具体的に言うと滾りたいんだよ!」

「えぇ……そんな事私に言われてもぉ……」

「そもそもなんなんだよお前らのパーティは!? お前――多分戦士か。まぁ解る見た目だわ」

 髭面のおっさんは剣に盾、それと革の胸当てを筋肉質の体に纏っているといった見るからに戦士の職である。まぁ戦士は男が多いってのはわかる。

「で、だ。なんで魔法使いも! 僧侶も! 男なんだよ! 両方とは言わないけど普通どっちかは女の子入れるだろ!?」

「うわぁ、理不尽……」

「じゃかましい!」

「そんな事言われましてもなぁ……魔法使いの職というのは持って生まれた魔力の才能が無ければなれない上、才能持ちの女の子ってのはそれはそれはもう少ないんですよ」

「ん? そうなん?」

 おかしいなぁ、昔は女の子魔法使いなんてゴロゴロいたんだけどなぁ。ちょっと気の強い感じだったり、あんまり感情表に出さないタイプだったりとか。ええ、ぐっちょぐちょにしてやりましたとも。

「でもここ来る奴らでも結構魔法使い多かったぞ?」

 思い返してみると、このダンジョンに来る冒険者パーティの中で、最低1人は常に魔法使いっぽいのが居たと思う。中には魔法使いのみというバランスの悪いパーティもいた。まぁ勿論どいつもこいつもおっさんだったが。

「それに対して男は生まれつき魔力の才能が無くてもなれるのですよ」

「え? どういうこと?」

「えーとですな、一定年齢まで清い身体でいればなれるのです」

「清い身体?」

「具体的に言うと、女性と交際したことが無ければ」

 その言葉で「あぁ……」と納得できた。思い返してみれば、どの魔法使いも納得がいく容姿をしていた。具体的に言うと女性とは無縁そうな――いや、これ以上は言うまい。

「わかった、それ以上魔法使いについては聞かないわ。んじゃ僧侶の方。こっちはどういう事よ?」

 僧侶こそ昔は女の子ばかりだった。もう見るからに清楚な感じで「清楚じゃなきゃなれない職業なんじゃないか?」って子ばかりだった。ええ、勿論美味しく頂きましたとも。

「えーとですね、僧侶の方々が信仰している女神がそれはそれは愛らしい少女なんです」

「理解したわ」

 どうしようもねぇな人間。通りでどの僧侶も『こんな触手なんぞに屈しない! 女神たんにペロペロ舐められていると思えば――はうっ!?』とか言ってると思ったわ。

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