REAL 2

５ー４１

　１１月からツアーがスタートした。

ライブは、楽しい。

どんな仕事よりも、俺はライブが一番好きだ。

なんて言っても、ファンの人たちとの一体感！

こんなに盛り上がってくれて、そのお陰でこっちもノッて演奏できる。

ソロでギター演奏する時なんて、たまんねー！！

何千人が、俺のギターに歓声をあげてくれてる。

ほんと最高の気分だ。

龍聖の歌声も、CDで聴くよりも、スタジオで聴くよりも、ライブのステージで隣りで聴くのが１番いい！

特等席だろ！！

今日は、福島でのライブ。

朝からすげー雪が降ってる。

「こんばんはー！！Realです！！

今日は雪の中、来てくれてありがとう！！

みんなに会えて、ちょーうれしい！！

今日は、ノリノリで一緒に楽しもうぜ！！」

キャーーーーーー！！！！！！って

すごい歓声！！最高！！

　ツアー中の１２月に、俺と龍聖の写真集の完成品が楽屋に届けられた。

前の写真集の時は、途中で試作品みたいのを見せられて、これはちょっとNGとか、なんとかって直しを入れてもらったりしたはず。

なのに今回は、これが完成品で売り物ですって、手渡された。

ヤバ……

これは、かなり……ヤバい。

思ってた以上にエロい仕上がりだった。

テーマはBL

表紙の写真から、上半身裸の俺と龍聖のアップ。

２人とも横顔で、見つめ合ってる。

俺が龍聖の首に手を回して、引き寄せてるところ。

２人とも口半開きで、この後　キスしてガッツリ舌入れる気マンマンみたいな横顔。

これは、キツイ！！

中身を開くのを　ためらわれるくらいに……

「えっろ！！何これ！！おまえら、これゼッテー一発やっただろ！？そうゆう顔じゃん！！」

と悠弥がデカイ声で言って笑った。

わ～～～～！！！！

これ、メンバーには配らないで！！って言おうと思ったのに、もう普通に配られている。

恥ずっ！！

「ホント！おまえら好きだな！！」

って、大輝が笑った。

「いやいやいやいや！！好きだなじゃねーよ！！俺らカメラマンの言いなりでやっただけだから！！な～！龍聖！！」

龍聖に同意を求めた。

「さすが、根岸さん　すげーな！！あのアングルで撮ったカットがこうなるんだ～」

龍聖は、顔色も変えずにページをめくっている。

あっ……ダメだな……

「ってゆうか、相変わらず、キレイだな～！

ＢＬじゃない男から見ても、充分に官能的だな」

「瞬、官能的とか言わないでくれよ……キツイから……」

「なんで？すげーいいじゃん！！特にこの、耳たぶ噛られてる桂吾の表情！！」

「わぁーーわぁーーわぁーー！！

もうイジワルなこと言うなよ！！」

「って、マジでさ～！！これは売れるだろ！！

って、前回のもそう言ったけど、実際すげー売れたじゃん！！年間トップだっけ？これもさ、それを狙っての１月発売だろ？ルピアーノの販売戦略がマジでエゲツないよな！！さすが、田名部さん！！あはははは！！」

と、大輝が笑った。

いや、ほんとマジで一気に疲れた。

悠弥じゃないけど、これは多くのファンにも、俺と龍聖がそうゆう関係だって思わせるような感じだろう。

会社の販売戦略は、そうゆう風に煽りたいのか？

実際、俺と龍聖は全くのノーマルだから、BLじゃないし。

まぁ、いっか。

誤解されて困るような、女がいるわけでもないしな。

俺はいいけど、龍聖はイヤじゃないのかな？

理彩子さえ　わかってくれてれば、どうでもいいって感じか？