メイドの過去

私、横見《かれん》楓恋はいわゆるハーフとして生まれた。父がヨーロッパ出身で、母が日本出身である。ハーフというのは一般的に珍しいらしく、総人口の2%ほどしかいないという。そんな珍妙な境遇に生まれた私だが、他人と違う境遇はハーフだけではなかった。両親がメイドと執事を職に抱えている夫婦なのだ。仕えているのは海外でも有名な実業家。しかも、その人が初めて雇ったメイドと執事らしく、親交が深いため、私は小さい頃からその一家と両親を家族として生きてきた。

そんな、色々と濃い両親から受け継いだ血が薄いはずもなく、私は両親の影響をここぞとばかりに受けてきた。



まずは容姿。肩まで伸びた銀髪に、通った鼻筋。これは十中八九父から受け継いだものだろう。日本人によくある丸い鼻とはかけ離れている。

……え?何でそんなに自画自賛するんだって?

自画自賛じゃなくて客観的事実を述べてるだけ。16年間この体で生きてきている訳だから、間違いはないはずだけど。

こんなふうに、さばさばした性格は母から受け継いだのだろう。伊達に外国人イケメンを落としたわけではないということか。これについては後に話そう。


次に趣味。この時代にメイドと執事なんてやってる親だったから、小さいころから掃除や給仕などの仕事は散々見せられたし、手伝う機会もあった。初めはただ家事の手伝いが好きな少女だったが、小学生になるとついに誰かの世話をしたいと言ったそうだ。とても自分のこととは思えないが。その歳で誰かの世話はさせられないため両親は困ったが、両親からしたら、娘が自分たちと同じ道に興味を持ったことに感動を覚え、どうにか叶えさせてやりたかったのだと。結局親バカの本気で、両親が仕えていた主人の娘の世話をすることになった。

その娘が、新堂零である。

先ほども言った通り、新堂家とは付き合いが長かったため、もともと零様とはお互い名前で呼び合うほどの仲だった。そう。小さい頃から一緒に過ごしてきた幼馴染みだったが、試しでお世話をしてみると、なぜかしっくりきたのである。それは私のみならず、零様もそうだったらしい。もともと世話をいろんな大人にされてきた零様だったので、同い年の私に世話されるのはとても新鮮であったのだろう。

とはいえ、いきなり今のような敬語を使えるはずがなかった。段階的に零様のお世話役に定着していき、今では仕事として受け入れられている、といったところだ。



そんな零様と昔から深く関わってきた私だが、唯一、零様について長年解決できていない悩みがある。最近になって、忘れていたのが蘇った気がする。

小学校4年生からの悩み。解決するすべがなく、未だに悩み続けているものだ。


零様に仕えていなければ問題にならなかったこと。


自分から言い出したことなのに我が儘だって言われても仕方がないくらいのこと。


これほどまでに自分の感情を否定したことはない。


零様が想っていることを分かっていて好きになってしまった。






悪いのは私だ。



何度気持ちを抑えても抑えきれない。



自分が嫌になる。


恋は病だといった人は正しい。

そう断言できるほどに、私はあのころから蝕まれていった。




____________________________________



ご読了ありがとうございました。

かなり短い話となりすいません!急いで書いたので誤字脱字多々あるかもしれません。前話では次につなげるといいましたが、その次に持ち越させてください…。


ここから楓恋の回想に入ります。

長くなるかもしれませんが、最後まで書ききりたいです。


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