第19話 恋愛と睡眠の関係性
私は朝起きるのが苦手です。朝六時に起きて朝活なるものをやってみる、という意識は毛頭ございません。夜は十時半には眠りにつきます。七時半に起きるので九時間睡眠を取っていることになります。ロングスリーパーですし、睡眠というのは食の次に大切ですから、せっかくならば長めにとっておきたいという思いがあります。これもきっと、恋愛をしたら変えなくちゃならないんじゃないか、と思うと不安です。私ではなく、相手に変えてもらうのは申し訳ないですし、夜に少し外出てきて、なんて言われて、出て行かないのも楽しくないでしょう。
この長時間の睡眠は、馬鹿にされることもあるのです。
「そんなに長く寝たら、長く寝る癖がついて疲れが取れにくくなるんだよ」
「朝の時間を有効活用した方が良くない?」
「九時間寝たいなら、九時半に寝て六時半に起きたら?」
どうして皆、自分の意見こそ正しいと思うのでしょうか。ロングスリーパー同士で話したらきっと、
「九時間なんて少ないよ。そんなんでロングスリーパーを名乗るんじゃない」
と糾弾されるに決まっています。
恋愛だってそうなのです。
「恋愛は楽しい。ドキドキキュンキュンする」
という意見が大部分を占めていて、私もきっとそうなのだろうと思っていました。けれど「恋愛」を書き出してみると、どうやらそう楽しいだけのものでもなさそうだと感じています。
「恋愛はつらくて苦しい。しない方が良い。独身万歳」
こういう意見だってあるはずで、どちらかというと、私はこちらの意見を聞いてみたいと思いました。
私は今きっと、鳥籠の中から出られない小鳥なのです。周りが良しとする意見のみを与えられて、少数派の意見を餌付けしてもらえない、哀れな小鳥です。
二人のメッセージに、私はこう返信をしました。
「できれば恋愛推奨派だけではなく、恋愛反対派の意見も聞いてみたいのです。できればで良いので、そのような方がいれば連れてきていただけませんか」
鳥籠の中から飛び出す準備が出来ました。七時に学校に行くには六時に起きなくてはなりません。時間を逆算し、九時にベッドの中に入りました。夢の中では、早婚派と晩婚派が目まぐるしい論争を繰り広げていました。しかしクーラーの効いた薄暗い部屋の中で目覚めた時にはすでに、細かな部分は何も覚えていませんでした。
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