第2.5話 聴診器をあてているときって 番外編

 聴診器は電気も使わず(最近はデジタル聴診器もありますがそれはおいておいて)、シンプルな操作で使用できる非常に優秀な道具です。しかしその使用条件には注意が必要です。


 周りがうるさすぎるともちろんきこえません。そして、聴診器をあてているときにおしゃべりいただいても、まったくもってなにもきこえていません。声はきこえるでしょ?と思われるかもしれませんが、きこえているようできこえません。

 心臓の音はもちろん、お話も、きこえないのです。お話いただいているものはただの大きな音にきこえます。予想外の音に耳はびっくり。何を言っていも単語の音としてきこえないのです。そっと聴診器を胸から離し、私の片耳から聴診器を外して、そしてお話を伺うことになります。後程仕切り直しての聴診です。

 最近はそんなことも減ったなぁと思っておりましたが、たまたま久しぶりに遭遇して気づきました。いつも助手についてくださっている、看護師さんの鮮やかな誘導が必要なのです。耳元で優しくささやく「深・呼・吸」というキーワード。

 ちょっとしたことでもチーム医療というのは大切なのでした。










※今回、聴診のときに困ることに関してコメントをいただきました先生に感謝いたします。カクヨムで同業の大先輩にお声がけいただいた記念エッセイです。

 


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る