第2話 聴診器をあてている時って②
医者が聴診器をあてているとき、何をしているかご存じですか?
そう、胸の音をきいています。
胸の音というのは、呼吸の音、そして心臓の音をきいています。
あくまでも私の場合ですが、胸の前側をきいている時は心臓の音をメインにきき、背中をきいている時は呼吸の音をきいています。
前側の時に一生懸命に呼吸をはーはーされると、心臓の音が聞き取りづらいなと思います。せっかくがんばってくださったのにごめんなさい。もっと楽に呼吸してくださいね。
とくに胸の前側のときは、もちろん右側もききますが、左側はとくに念入りにあちこち場所を変えながらききます。
心臓には4つの部屋があります。それぞれの部屋の出入り口には扉があり、医学用語でその扉を弁と呼びます。弁の向きによってききやすい位置が違うので、心臓をいろんな角度からきくことで、弁に異常があるときにきこえる音を逃さないようにしています。
ほかには心臓の外にある膜の音なんかもあります。
既往歴(今までの病気の名前)の一覧を先にみているので、弁膜症(心臓の弁の病気のこと)の既往があれば、雑音があっても特におどろかないです。むしろ勉強のために狙って音を確認にいきます。(ありがたや~)
しかし、時々既往歴に記載せずにいらっしゃる方がみえるので、雑音があるときになんだか試されている気持ちになります。そんな方の音を逃していたら...、能力がないと思われやしないかと、ひやひやします。
もちろん、初めて雑音を認める人もいらっしゃいます。ひどいと雑音から弁膜症が判明して手術まで至った人もいます。逆に若い方で雑音はあるけれど、検査をしても異常がなく、心臓が元気すぎてきこえるだけだったという人もいます。
「心雑音あり」と書かれたときは、それこそドキッとすると思いますが、みなさん一度は精査を受けてくださいね。
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