第5話 とある厨房の舞台裏
勇者(偽)が聞いていた会話の全体となります。
◆
「そういえば勇者様が運ばれて数日経ったがまだ目を覚まされていないみたいだ。」
「らしいな。」
「ところで、勇者様と言えばどんなイメージだ?」
「なんだ突然?優れた容姿、一騎当千の力を持つだけでなく清廉潔白、無欲で、心優しく、弱者の味方だろ?新聞やらなんやらで毎日言ってる」
「だよな?けど最近イメージを崩す変な噂が出始めたの知ってるか?」
「なんだよ?」
「ああ、ここだけの話なんだが。」
「王宮の私室には裸のままの女性がたくさんいて、俺らが青空の下汗水たらして仕事している間に日夜穴掘りに励んでるらしい。
しかも、奴隷や攫った女もたくさんいて、聖剣片手に脅した状態で無理やり裸にして、泣いたままってのが一番お好きらしい。それこそ、何もない日は毎日のようにやってるらしいぞ。」
「なに!?」
「おい、声がでけえ」
「う…すまん。しかし、そりゃなかなかの性癖だな」
「びっくりだろ?」
「ああ。しかし、この屋敷にいる勇者パーティのお三方はそれをご存じなのかな?あの人たちも女性だし、そこらへんは嫌悪するだろうに。」
「知ってるらしい。むしろ最初にそれを見せられたのがそのお三方らしいからな。」
「そりゃすごいな。しかし勇者様はさすがだねー。だってあれだろ?あのお三方って噂通りなら恐ろしい人たちのはずなのに。」
「だよな。
貴族出の女騎士様は勇者様が害されればどんな些細なことでも問答無用で切り殺す。たとえそれが子供でも容赦なく切り殺した
エルフの姫君は同族や家族が少しでも侮辱されたら、風魔法で四肢を吹き飛ばす。そのうえ回復魔法を弾くようにわざと膨大な魔力を傷口付近に残留させ痛みを長引かせた
獣人の巫女様は勇者様の悪口やイメージを崩すようなことをすれば毒でさんざん苦しめてから殺す。その最中も笑顔のままで筆頭拷問官ですら震え上がらせた。」
「おっと、噂をすれば例の巫女様が勇者様の部屋に食事を持っていかれるみたいだな。」
◆
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