剣の世界のβテスター～異世界に転生し、力をつけて気ままに生きる～

第129話 再会

そういえば、いつの間にか師範の姿が見当たらない。

久しぶりの再会に水を刺さないよう気を遣ってくれたのだろう。

『ありがとうございます…！！それにしても…』

やはり3人ともモデル顔負けのスタイルと容姿だ。

アイリスは170cmほどで、肉付きが良く均整の取れた手足…

そして白狼族のもふもふな耳と尻尾がなんとも愛くるしい。

容姿端麗、成績優秀の生徒会長みたいだ。

スーは165cmほどで、スレンダーなスタイルに少しはねた髪…

そして鳥人族の綺麗な羽がなんとも美しい。

怠けているが頭がいい眠り姫みたいだ。

イザベルは160cmほどで、幼さが残った顔に小柄…

そして天使族の純白の羽がなんとも神々しい。

本物の清楚系後輩みたいだ。

『…皆本当に顔面偏差値高いよな。』

「…4人とも！！そろそろ寮の門限ですよ！！」

「いつの間に…というかアイリスはやっぱり真面目なままだな。」

「そうなんだよ〜あたしも時間時間って大変だよ〜」

「スー！！あなたがだらしないからでしょう！？最近は授業もサボって…」

「出席数足りれば何でもいいんだよ〜」

アイリスとスーは修行の旅に出る前から一段と仲良くなった気がする。

クレアとイザベルもずっと話しているし、仲が悪くなった気配はないようなので安心した。

「み、みんな！！時間が迫っているのです！！」

「あっ、忘れてた！！4人とも、急ぐぞ！！」

「おう！！」

「はい！！」

俺とイザベルとクレアは走り、スーとイザベルは飛んで寮へ向かった。

「ちょっ、アルフレッド速くないか！？」

「私でも追いつけないなんて…！！」

「旅の成果だな！！」

4人も敏捷性が上がっているが、やはりLv差が大きく影響しているだろう。

詳細はまだ見ていないが、4人ともLv.75前後と俺の半分以下なのだ。

『…でも全員2年で40近く上げてるし、相当頑張ったな。』

“獲得経験値10倍“のスキルを持っていないのに、大した成長速度だ。

俺の成長を見せるにはまだ早いと思い、皆のペースに合わせて走った。

せっかくなら冒険者学校の卒業試験で大々的に見せびらかしたいからだ。

『我ながら自己顕示欲の塊だな…もう成人したのに。』

成人式は春に一斉に行うらしく、それまでは一応未成年だ。

場所は教会で、参加は任意だそうだ。

出来ることならペンシルゴン領に帰り、自宅の礼拝堂で成人したい。

そんなことを考えながら走っていると、寮に着いた。

すると、門の前に銀髪の美しいメイドが立っていた。

「皆さんおかえりなさいませ。門限ギリギリですね。」

「ソフィア…！！」

「…っ！！アルフレッド様、おかえりなさいませ！！」

「ああ、ただいま！！」

ソフィアは執事学校を主席で卒業した後、本人の意思で1年間だけ冒険者学校寮に勤務することにしたらしい。

卒業済みでもう会えないかと思っていたので、とても嬉しくて感極まってしまった。

「あっ、そういえば主席の部屋は誰か使ってるのか？」

「いえ。アラン教授の指示で空けたままにしております。」

「そうか…なら今日からまた部屋を使ってもいいか？」

「もちろんです。ただ、1度アラン教授に顔を見せた方がいいかと思います。」

「確かに…ちょっと学校まで行ってくる。」

「行ってらっしゃいませ。門は閉まっておりますので、帰りは裏口からどうぞ。」

「分かった。じゃあまた後で！！」

アランはどうしているだろうか？

カジノの沼に浸かっていなければいいが…

戦闘能力は衰えていないだろうか？

俺はLv.200を超えたので、かなり強くなったはずだ。

今ならアランを倒せるかもしれない。

『再会するのが楽しみだな…！！』

一刻も早く会いたくて走ると、あっという間に学校に着いてしまった。

外にある闘技場に行ってみると、そこには白髪混じりの大男が両手剣を振っていた。

「アランか…？」

「小僧…！！大きくなったなぁ！！」

「そういうアランは随分老けたなぁ！！」

「違いねぇ！！それに、随分強くなったみたいだな。」

「ああ。レベル上げも訓練も怠らなかったからな。…俺と1試合戦わないか？」

「卒業試験までお預けだ！！戦闘狂は酷くなったみたいだな！！」

「あはは…」

旅に出る前から戦闘狂認定されてたとは思わなかった。

それはさておき、見た目は老いても中身は変わっていないようで安心した。

「小僧…いや、もう小僧じゃないな。アルフレッドがいない剣闘祭は勝負相手がメリッサしかいなくて退屈だったぞ！！」

「賭博かよ…それで、試合の結果はどうだったんだ？」

「2年次の個人戦はクレアが2位、アイリスが3位だ。3年次の団体戦は優勝したぞ！！」

「おぉ…！！ちなみに2年次の1位は誰だ？」

「ライオネルだ。ほら、アルフレッドが決勝戦で戦った奴だ。」

「あーそういえばそんな奴いたな。」

詳しくは覚えていないが、なかなかの強敵だった気がする。

…まあ今の俺なら間違いなく勝てるだろう。

「あっ、そうだ。今日からまた寮で暮らしていいか？」

「もちろんだ。卒業試験は3日後…それまでは授業がないから自由にしていいぞ。」

「分かった。じゃあまた卒業試験のときに！」

「おう！！」

卒業試験が楽しみだ。