第19話 大変です!HPもMPも0です!
どうしても病院に行かなければならなかった。
でもこの日はとても外に行く気にはなれなかった。
調子のいい日は1人で出歩いたりもできるが、今日は違った。
それどころか部屋にいても精神状態はいいと言えなかったような感じで、でも仕方ないので外へ出た。
素のまま外へ行くのは無理だと感じ、発作止めの薬を飲んでいるのにも関わらず体は細かく震えて、心臓はドクンドクンとやたら早かった。
今日は家から近い病院に用があったため歩いて数分のところへ到着。
待合室の椅子に座って15分くらい大人しくしていたのだが、汗が止まらないし心臓もしばらく暴れていて、おまけにこの光景が現実のものなのか夢なのかあやふやな位置に自分がいる気がして地に足が着いていないような錯覚に襲われた。
用事を済ませて少し買い物をして家に帰った途端、とんでもないだるさが押し寄せてきた。膝から下に力が入らないし横になっていても頭がふにゃふにゃとする感覚が取れない。
発作止めの頓服の副作用が比較的出やすい体質らしく、使用するとだるさや眠気がでるのだ。
それが屋外で活動している時も感じていたには感じていたが、やはりこの薬を飲んだからといって万全に動ける訳ではなく、精神安定剤の代わりに副作用が重くのしかかる。
とにかく眠くて体調が悪くて仕方ない。
少し横になって休むだけのつもりだったが、いつの間にか眠ってしまった。
目を覚ますともう日没を終えた闇が私を包んでいた。
ああ、少し動いただけでこのザマか。
まだまだやらなければいけないことは他にもあったのに、なんという無様。
生きているのが恥ずかしいくらい活動が鈍い。
そして起き上がってタスクをこなしたい気持ちが大きいのに、体は未だスッキリとした目覚めには至らず布団と癒着してしまったかのように起き上がれない。
動かなければならない時に何も出来ない自分の体が本当に嫌になる。
でも、心の底では私はまだ休養を取っていい人間であることに安心している。
という事は実際この療養生活はまだ終わっていないということだろうか。何にせよまだ先は長そうだ。
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