第10話 希死念慮について
希死念慮。
死にたい、そう願う気持ち。
私たち精神病患者に付きまとう恐ろしい症状のひとつです。
私たち生き物には生存本能があり、本来は自分から死を望むようなつくりにはなっていません。
これは最近私も知った事なのですが、死を望むという思考自体が病気の症状だったのです。
つまり、自分の本来の気持ちでは無いのです。
このエッセイの概要に「共に、生きましょう」
なんて格好つけて書いた手前恥ずかしいのですが、私も普通にネガティブモードになると死にたくなります。本当に突然、衝動的にやってくるので押さえ込むのに大分苦労します毎回…
私も物心着いた時から他人よりも生きづらいと感じ、辛いことがあれば自然と死にたいと考えることも多かった。本当に死んでしまおうかと自殺未遂も何度だってしている。
何だってこんなに辛いのか長年わからず過ごしていたので、その事実を知ったときは何だか呆気ないなと思ったが…納得もした。
そして通常、健常者は死にたいという気持ちを一生のうち1度だって感じないという人も居るらしい。
不公平だな、と思った。
この苦しみを知らずに生きていけるなんて…どんなに幸せなことなのだろう。羨ましくて仕方がない。
だから皆、あんなに楽しそうに日々を送ることが出来るんだな。
そうは言っても、わたしはあちら側に行くことは出来ない。知らなかったことにはならないし、私のルーツを辿っていけば(詳しくは第6話)完全に克服する事は不可能だろう。
それでも少しでも希望を感じて生きていけるように、我々は病院にかかり、薬を飲んで、限界が来る前に休み休み生きていくことが自分に合った生き方なのだ。私はそう答えを出した。
だから私は諦めない。
いくら死にたくても、自分が惨めに思えても…
自分の人生を、病気に屈したものにはしない。
だからって倒してやろうとは思わない。
上手く共存して、最後にはお互い
「なかなかやるじゃないか」
「ふっ、そっちこそな」
そんな戦友のようなライバルのような付き合い方ができたらなと思っている。
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