第6話 いざ、 療養生活
晴れて?うつ病と診断された私。
兎にも角にも仕事ができる状態ではないと正式に決定したところで、休職という形を取る事になった。
と言っても生活が急に楽になる訳では無い。
一般的に休職と言うと、きっと楽なイメージありますよね?
実は毎日遊んで暮らせてラッキー!とはいかないんです…
まず大前提として『出勤不可能な精神状態』とは、皆さんが思ってるより壮絶なものです。
なぜそう言いきれるのかと申しますと、私が実際そうだったからです。
私は自分の精神崩壊度を10段階あるとするなら6くらいだろうと思っていました。
しかし実際に労働不能となり休息を取ってみると、6どころではなく9程度まで進行していました。
そうなんです。自分が自分で認識していた程度さえも凌駕する蓄積された疲労とストレスはとてつもないものでした。
実際、当時の私の症状は酷いものでした。
①ベースの感情として抑うつ感が強い。
常に漠然と辛いが、波があるので時には強い希死念慮に襲われる。絶望感が強く起き上がることすら困難。常に不安があり勝手に涙が零れる。何も楽しいと感じないし集中力もないのでずっと寝ている。
②不眠症に悩まされた。夜の23時くらいから床につき、寝ようと試みるが当然のように眠れない。
朝6時くらいになりようやく眠れ、15時頃起きてまた夜は眠れなくなりの無限ループ。これが2週間…狂うかと思った。
③これがうつ病にしては珍しいかもしれない症状。
稀に錯乱状態になり過呼吸や自傷行為に走る。
今すぐ死ななければと思い突飛な行動に出るため怪我をしたりする事もしばしば。
取り乱して大声で泣いたりなどの発作が出る。
…とまあ、このような状態でした。
この時はまだメンタルクリニックの初診が済んでおらず、薬も手元になかったので余計酷いですね。
このような状態に陥った人間がどうなるかと言うと、まず起き上がって何かをする、考えることは殆ど不可能に近いです。
生活に必要な食事など炊事、家事ももちろん出来ません。入浴や歯磨きなどの清潔を保つ上で重要な行為も出来なくなります。
私の場合は最低限の食事と入浴、歯磨きはある程度の頻度でなんとかギリギリ出来ましたが… 生きているのが不思議なほど何も出来なくなります。
では何をして過ごしているのか。
私の場合はですが、殆どの時間をベッドに横になってボーッとしていました。起き上がると目眩がし、眠れる訳では無いのでひたすらぼんやりと横になっています。虚無です。
色々グルグル考えます。特にこれからのことを考えると不安が一気に押し寄せてきて、すぐに発作が出ていました。
とにかく自分なんて生きるに値しない人間だ、
生きていることが申し訳ない、消えたい
そんなことを1日中考えて過ごしていました。
この症状をどうやって治療していくかですが、
基本的に休養と投薬です。
とにかく体に溜まった疲労を取り、エネルギーを溜める。そして強い抑うつ感や無力感を薬物により緩和し、少しずつ動けることやれることを増やすといった形で治療を進めています。
療養生活を始めて暫く経つ今現在も、無理に何かする事を考えずに休むよう指示されているので、かなり疲弊具合が酷いことが伺えますね。
これはいつか別話としてお話しようと思っていますが、私がうつ病と診断されたのは23歳時点ですが、恐らく学生時代から精神病にはなっていたようです。しかも初診時にカウンセリングを受けた際に感じたのが結構複雑な病歴になっている感じがしました。例えるならばポケモンの進化のような感じですね。
私自身がそんな状態なので、果たして寛解(病気をコントロールできている状態)に至るまでにどの程度の時間がかかるのか予想がつかず不安ではありますが、とりあえず今のところは薬物治療の甲斐もあり、当時よりは正気を保って生活出来ています。もちろんまだまだ問題点は多いですが…。
最近は努めて何も考えぬようにスマホゲーを頻繁に触っております。不安を感じる考え事は悪化に繋がるらしいので…これがしかし遊んでいるようにしか見えなくて理解者がいないと辛いかもしれないですね。
たまに気が向けば皿を洗えるようになり、軽い料理も出来るようになりました。しかし少し動くとまた目眩がするので無理は禁物ですね…。何も出来ないよりはいくらか気分はマシです。
さて、休職の実態とイメージとのギャップはお分かりいただけましたでしょうか?
このたくさんの時間は遊ぶためではなく、自分自身と向き合う為…そして自分自身を休養させてあげるための大切な時間なのです。
自分の心の声をよく聞いて、やりたい事を少しでも出来るように。
段階的に少しずつ回復していくための大切な期間です。自分の心のままに過ごす事が1番の治療です。
どうか穏やかに過ごせますように。
どうか望んだ未来へ向かっていけますように。
それが闘病者たちの祈りです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます