第6話 Goto Eat!
緊急事態宣言もまん防も解除となり、夜のお店がようやく解禁となった。
接待を伴う飲食店は私の守備範囲外であるが、お店で酒が飲めるようになることは、飲んべえの自分にはありがたい。
そして、買いためておいたGoto eatのクーポンが、ようやく使えるようになった。
私も妻も、おいしいものを食べるのは好きである。
そのためGotoのクーポンもそれなりに買い込んでいたのであるが、使おうにも使えない状態が長く続いていた。
それが、ようやく、使えるようになった!
自分が自宅に帰ってくるのは月に1,2回のため、自宅用に買ったクーポンは急いで使わないと無駄になってしまう。
そのため早速食べに出かけた。
しかし、店の選定には苦労した。
私は飲んべえなので基本的に居酒屋系が好きなのであるが、妻は酒を飲めない。
加えて妻は舌が肥えているため、それなりに評価されているお店でないと行きたがらない。
さらに食に対して保守的な息子が加わると、行ける店はもっと限られてしまう。
息子が好きな外食はラーメン、カツ丼、回転寿司。
そのため前回は回らない寿司屋に行った。
今回も結局、寿司のある和食の店に行くことになった。
妻が提案したその店は小さいものの地元では有名な店で、結構値も張るという噂。
しかしネットでメニューを調べたところ、コース料理は1万円以上のものもあるが、アラカルトはそこまで高くなかった。
自分は店が高いか安いかビールの値段で当たりをつけるが、中瓶600円ならちょっといい目の居酒屋レベル。
そのため前回の回らない寿司屋とそう値段は違わんだろうと判断し、ここで決定した。
ちなみに前回の支払いは18000円。
家族の外食では過去最高の値段で、もちろんgoto払い。
今回自分用に買ったgotoクーポンが24000円分あったので、少し余るかな程度に考えていた。
予約して入店。
案内された席にはすでに前菜が準備されており、戸惑う。
店員さんに聞くと突き出しとのことだが、ネットで調べた税込み550円の突き出しとはとても思えない。
白子ポン酢、鴨のロースト、いかげそ酢味噌、もずく酢、銀杏塩焼き、卵焼き、他。
どれもこれもレベルが高く、堪能。
ここから妻のスイッチが入り、いろいろと注文した。
渡り蟹、馬刺し、土瓶蒸し、茶碗蒸し、赤貝刺身、鱚天ぷら、鯛のあら炊き、上鮨、ハマグリの握り、穴子握り、etc…。
私はちょっとだけケチなので、居酒屋ではいつも計算しながら飲む。
私は日本酒2合と瓶ビール1本飲んだが、酒の値段は税込み2500円ほど。
ただ今回、料理の多くがその日のおすすめで、おすすめメニューには値段が一切書かれていない。
その点ちょっと気になったが、まあgotoから足が出るかもしれないな程度に考えていた。
そして渡されるお勘定書き。
しめて38000円!
想定予算の、倍!
自分のGotoでは足りず、妻のGoto、さらに家計で買っておいたgotoの余りまでつぎ込んだ。
家にあったGotoクーポン、ほぼ全消費。
予定されている妻の古い友人とのランチ分だけ、かろうじて残った。
38000円の夕食は早速親族に知れ渡る。
妻が義妹に包み隠さず話したのだ。
私が酒を飲むせいで高くついたと、尾ひれもつけて。
外食好きの私もこれで懲りるだろうと、妻の弁。
そこ、違うから!
高いメニューが好きなのは、妻の方だから!
妻が食べていた渡り蟹、ネット上では最低3850円からの時価だから!
いずれにしろこれで自分のGotoは使い果たした。
今後寿司と言えば、いつものスーパーパック寿司か、スシローに戻るだろう。
これから数年、いい店に行くことはないな。
次は息子の大学合格祝いあたりか。
そんな日が、やってくるといいなあ。
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