第7話 ハートブレイク

今週は仕事の合間を縫って部下との面談。

自分とコンビを組んで仕事している女性が、その場で結婚の予定について語り出す。

Oh my god!


入社してまだ3年目。

新入社員で私の部下として配属され、1年間机を並べた。

私の転勤で上司部下の関係は解消されたが、その1年後、私の転勤先に追いかけてきてまた私の部下になった。

その時から運命の女性と思っていたのに!

疲れたときは、仕事している彼女の横顔をずーっと眺めて、癒やされていたのに!


でもよくよく聞くと彼氏は昨年までの任地に住んでおり、転勤で元の任地に戻れたら結婚しようと話しているらしい。

…なんだ。

じゃあ元の任地に戻れなければ良い訳じゃん。

早速人事の書類に「来年度も自分の部下としてともに働きたい」欄にチェックを付けとこう。


いやいや、それはさすがにゲスいだろう。

彼女が幸せになることを祈って、元の任地に戻れるように骨を折ってやるべきでは。


いやでも彼女は今の仕事についてまだ半年。半人前もいいところだよ。

せめてもう一年は同じ仕事を続けて、何か一つ仕事をやり遂げたという経験を持たせて送り出すべきでは?

ただでさえあまり自信を持ててない子なのに。


自信?

私にここまで思われている。

それが十分自信になるだろう!

それの何が不満なのだ!


とまあ自分の中でいろんな自分が大激論。

今日はものすごく疲れた。


とりあえず、後悔しないためにも一度は告っておくべきだろうか。


あ、自分、既婚者です。

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