GALARGE : Serial killer (in VRMMO) × ガラージ:シリアルキラー(in VRMMO) 著:空き巣薔薇 亮司(あきすばら りょうじ)  一章まで

 こいつら全員皆殺し


 

 ここから感想。

 VRゲームを題材としたライトノベルというと、あまりに巨大すぎる先駆者がいるせいで、ほぼ必ずと言っていいほどその先駆者と比べられる。

 まあ、でもこれは仕方のないことだ。

 同じカテゴリーに有名な作品がいるのだから、相当優れているか、それとも全く違う方向性でないと、わざわざこちらを読む意味がない。

 

 これは後者のやり方で差別化を図っている。

 いや、優れていないというわけではない。そもそも作品の優劣をつけることは非常に難しいので、ここにはあまり触れずにいきたい。

 まあ、そんなことを考える必要もなく明らかにカテゴリーが違うのですみわけが出来ているだろう。

  

 どちらかというとリアル寄りのこの作品は作中のほとんどが戦闘シーン。

 もちろんキャラクター同士の駆け引きの様なシーンも存在はするが基本的には戦闘している。

 ゲームの設定は、その都度必要になったら出てくるといったような感じで、読者は今起きている先頭に集中して読むことが出来るようにもなっていた。

 というか、そもそもゲーム自体はほぼリアル準拠のようで死亡デメリットも相当大きい。(まあ、先駆者はゲーム内で死ぬと現実で死ぬが)

  

 第一章は市長を殺すところまでが描かれているが、ここでも複数の戦闘シーンが描かれている。

 疾走感のある戦闘シーンを抜けたら、その後は市長を殺した理由のネタバラシ。

 手際の良さを最後に見せることで少しの笑いを誘ったのかな、なんて思った。


 全体的に完成度は高いと思う。

 ただせっかくの読みあいなので気になった点を一つ。

 複数の戦闘シーンを書く影響から、非常に視点や場面の移動が多い。

 つまり


 ◇


 このような記号が非常に多用されている、ということだ。

 私の見てきた作品の中ではトップレベルの頻度で使われていた。

 視点が行ったり来たりするのは読者にはあまり優しくない。もう少し頻度を下げたほうが読みやすくなるのかな、とは思った。

 しかし、分量を多くすると疾走感が下がるというのは間違いがない。

 どちらを取るのかは作者様にお任せする。

 あくまで私は視点移動が多いな、と感じた。


 こんなものだろうか。

 書きたい世界観をきちんと作り、さらには設定集まで作成する。生半可なことではできない芸当だと思う。

 作品への愛を感じた。


 それでは。


 作品URL:https://kakuyomu.jp/works/1177354054988695991

 作者URL:https://kakuyomu.jp/users/akisubara_ryoji

 

 

 

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